邦 画

日本映画

「会社物語 / Memorie's of You」

1988new 1988(昭和63)年・松竹(ドラマ)・99分
お薦め度: ★★★★★ confident
監督: 市川準
出演: ハナ肇(課長、花岡始) 谷啓(課長、谷山啓) 植木等(東京商事警備員、上木原等) 犬塚弘(課長、犬山弘) 安田伸(課長、安井伸) 桜井センリ(課長、桜田千里) 石橋エータロー(脱サラ、ミュージシャン、石橋二郎) 西山由美(OL、由美) 木野花(OL、木村台子) あめくみちこ(OL) 小川菜摘(OL) 伊東四朗(小林常務) イッセー尾形(ベンチに座っている不思議なセールスマン) 四禮正明(早川一夫) すまけい(野口部長) 鈴木理江子(花岡玉枝)  馬渕晴子(由里の母) ジャイアント馬場(リンリンのタレント) 村松友視(バーの男、村松友視)  余貴美子ほか。

Photo_19 今回ご紹介する作品は、昭和の終わりに制作された「会社物語 / Memorie's of  You」。クレイジーキャッツのメンバー全員が揃った最後の作品です。この後、一人、二人とお亡くなりになりました。ジャイアント馬場もチョイ役(台詞なし)で出演しています。
Photo_9 「ハナ肇とクレイジーキャッツ」というと、ドタバタ喜劇を連想してしまいますが、この作品はちょっと違います。定年を間近に控えた、初老の男達の“夢とロマンと儚さ”を散りばめた逸作に仕上がっています。共演も、伊東四朗、すまけい、イッセー尾形、木野花、あめくみちこらの芸達者が華を添えております……。

Photo_2【解説】 定年を間近に控えたサラリーマンが、若い頃に情熱を傾けたジャズのコンサートを最後に開こうとする姿を描く。脚本・監督は「BU・SU」の市川準、共同脚本は鈴木聡、撮影は小野進がそれぞれ担当。この映画でハナ肇はブルーリボン賞主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞のノミネートを受けた。また、Photo_20 ハナ肇とクレージーキャッツのメンバー7人が全員出演した最後の作品である。バンド仲間と有楽町のガード下の居酒屋で飲んだ後、千鳥足で帰路につく途中「今の日本は俺たちが作ったんだぞー」と叫ぶ植木等の姿が、現実社会の定年間際のサラリーマンと、芸能界でのクレージーキャッツの功績を重ね合わせているかのよう。

Photo_12【ものがたり】 花岡始(ハナ肇)は57歳。東京の商事会社で34年間真面目にコツコツと働き続けた万年課長だが、間もなく定年を迎えようとしていた。いまや仕事もさほど忙しくなく、若い部下達もあまり相手にしてくれない。家に帰れば家族間のトラブルが、ストレスの種。そんな花岡にとって唯一の心の安らぎは、愛らしく気立てのよい新入社員の職場の華、由美(西山由美)だけだった。彼女には若いエリートの恋人がいたが、プレイボーイの彼氏は常務の娘とも交際していた。

Photo_11 わざわざ花岡のために由美は、たった二人だけの送別会を開いてくれたのだが、部長たちの麻雀に誘われ、断れきれずに時が過ぎて行き、気が気ではない。やっとの事で由美に指定された喫茶店に到着。若者達が踊るディスコへ行き、楽しい時間はあっという間に終わり、由美のアパート近くまでタクシーで送って行くが、お土産に買った花を忘れたため、花岡は届けに戻ったところ、偶然にも由美と彼氏とのツーショットを目撃してしまい、ショックを受けてしまった。

Photo_6Photo_5 退職が近づいたある日、同僚(桜井センリ)がジャズ・バンド結成の話を持ってきた。若い頃に情熱を傾けたジャズ、有志を集めてコンサートをやろうというのだ。犬山(犬塚弘)、安井(安田伸)、桜田(桜井センリ)、谷山(谷啓)、上木原(植木等)とメンバーも揃い、会社の帰りにはメンバーとガード下の居酒屋やスナックなどで楽しくジャズの話題に 花を咲かせていく。花岡は練習に精を出して再び生活に張り合いを取り戻した。Photo_7Photo_8 そして12月25日にコンサートが始まったが、その時、花岡の家庭では息子がバットを振り回して暴れていたのだった。家からの電話で、花岡は演奏の途中で急遽家庭に戻り、息子を止めようとしてケガをしてしまう。しかし花岡は再び会社に戻って、コンサートを成功させる。演奏が終わり、汗みどろの花岡は満足感のなかで、「ありがとう……、みんなありがとう……」とつぶやくのだった。

Photo_10 退職の当日に花岡は、娘のように親しみを感じていた部下の由美を二股にかけて振り、出世のために常務の娘と結婚することになった生意気な若いエリートサラリーマンを横断歩道でぶっ飛ばし、新しい人生へと出発するのだった。

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 【花の女子社員達】

 現在は、「ダウンタウン」の浜田氏の奥さんになった小川菜摘も……。

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「やじきた道中 -てれすこ-」

2007new 2007(平成19)年・松竹(時代劇/コメディ)・108分
お薦め度: ★★★★☆ happy01
監督: 平山秀幸

出演: 中村勘三郎 (弥次郎兵衛)  柄本明 (喜多八)  小泉今日子 (お喜乃)  ラサール石井 (梅八)  笑福亭松之助 (与兵衛)  淡路恵子 (おきん)  間寛平 (奉行)  松重豊 (地廻りの太十)  山本浩司 (地廻りの甚八)  吉川晃司 (沓脱清十郎)  鈴木蘭々 (清十郎の妻・菊)  星野亜希 (花魁・おちみ)  藤山直美 (お仙)  國村隼 (代貸)  笹野高史 (お喜乃の父・杢兵衛)  波乃久里子(遊郭「島崎」の女将) 麿赤児(遊郭「島崎」の客) ベンガル(漁師) 六平直政(宿泊客)  左右田一平(庄屋) 南方英二(かわら版屋)

Photo_2  今回は、時代劇。それも落語仕立てのコメディです。物語中、「三枚起請(さんまいきしょう)」、「狸賽(たぬさい)」といった古典落語のおいしいところが、散りばめられています。古いところですと、「幕末太陽傳」(1957)が、「居残り佐平次」という、友達と連れだって品川の遊郭に遊びに行き、金を払わず佐平次だけは居続けて、その店を手伝ううちに人気者になってしまう……、というコメディがありました。主演はフランキー堺、共演に石原裕次郎、小林旭、二谷英明、金子信雄、左幸子、南田洋子、芦川いずみら。

Photo_3【解説】 「東海道中膝栗毛」でお馴染みの、弥次さん、喜多さんの物語に、落語の人気演目「てれすこ」を取り入れた人情喜劇。花魁・お喜乃の手玉に取られた弥次さんが、喜多さんと三人でお喜乃の在所、沼津まで下る珍道中記。監督は、『愛を乞うひと』『OUT』の平山秀行。『しゃべれどもしゃべれども』でも、落語を素材にしていたが、「落語を取り入れた正統派の時代劇、王道の映画を作りたかった」とインタビューで語っている。主演は中村勘三郎、柄本明の芸達者な弥次・喜多コンビに、花魁役の小泉今日子。『転々』『空中庭園』などで、役者としての本領を発揮し始めた小泉今日子だが、本作の花魁では、べらんめぇ調を見事に使う(もしかして、これが素?)女優として見事に開花。勘三郎、柄本の二人に引けをとらない演技を見せている。

Photo_5Photo_7【あらすじ】 時は太平、江戸の街。かわら版屋(南方英二)が、大阪で“てれすこ”と呼ばれる不思議な生物が捕獲され、人々の話題を集めている、と人々を前にしていた。その頃、品川の遊郭「島崎」では、元は売れっ子花魁のお喜乃が、新粉細工職人の弥次さん(中村勘三郎)に、本物そっくりの小指を粉で作らせて、Photo_6「想いの深さを表す切り指」と偽り、 幇間の梅八(ラサール石井)から馴染み客に渡してもらい、“晴れて年季が明けたら、お前さまと一緒になります”という起請文を付け、馴染み客(麿赤児)らから金をせしめていた。そんな中、お喜乃は弥次郎兵衛に“沼津にいる病気の父に会いたい”と偽って、遊郭を脚抜けし、一緒に逃げて欲しいと涙ながらに頼むのであった……。

Photo_11Photo_13 【ものがたり】 天下太平の江戸時代。大阪の淀川で、心中しようと舟を出していた大店の女主人おきん(淡路恵子)と使用人の与兵衛(笑福亭松之助)の老人二人。あわや心中、という時に俄に渦を巻きだした水面……。びっくり仰天した二人は、心中どころではなくなってしまった。その頃、奇妙奇Photo_14 天烈な生き物が捕獲され、人々の話題を集めていた。奉行所では奇妙な生き 物を知っている者には報奨金として十両を与えられる、ということになり、心中者の片割れの与兵衛は金に目が眩み、奉行(間寛平)に向かい、“その生き物は「てれすこ」という物でございます”と、いい加減なことを言ったため、以後その奇妙な生き物は“てれすこ”という名が付けられた。

Photo_25Photo_26 その頃、江戸・品川の遊郭“島崎”では、元は売れっ子花魁・お喜乃(小泉今日子)が、新粉細工職人の弥次郎兵衛(中村勘三郎)に作らせた、偽の切り指を愛の証と、偽り客に贈って金をせしめていた。お喜乃はある日、弥次さんが自分に気があるのを良いことに、遊郭から連れ出してくれと無理難題を押しつける。丁度その時、部屋の外では弥次さんの幼なじみで売れない歌舞伎役者の喜多さんが、舞台での大失態を苦に首を吊ろうとしていた。

_3 喜多八は、「赤穂浪士」の序盤、“松の廊下”のくだりを演じていたとき、あやまって自分の長袴の裾を踏んでしまい、吉良上野介に斬り付けるところを、刺してしまった。観客は総立ちになって、滅茶苦茶な芝居にブーイングの嵐となってしまい、喜多八は最早、芝居役者として立ち行かなくなってしまった事を悲観しての覚悟の自殺であったのだが、そこはコメディ……、お約束の“綱が切れてしまい”ということで、助かってしまうのだ。喜多八は、もう一度上方で芝居をやり直すのだ、と決心する。

_9 思わぬ形で再会した弥次さんと喜多さんは、お喜乃の脚抜けを手助けすると、一緒に連れて行ってくれと頼む喜多八に“道中、絶対に酒は飲むなよ”と念を押し、承知する喜多八も連れ、追っ手を逃れて西へ西へと奇妙な3人旅に繰り出すのだった……。

Photo_16_2 宿泊した木賃宿で喜多八とお喜乃が風呂へ行き、人の良い弥次郎兵衛は、一人で部屋で飲んでいた。隣り合わせた浪人、沓脱清十郎(吉川晃司)とその内儀の菊(鈴木蘭々)と知り合うが、清十郎から酒を所望され、飲みかけの徳利を渡すと、どくろに酒を掛けるのだった。死んだ妻の回向だと、意気に感じた弥次郎兵衛は、なけなしの銭を清十郎に渡すのだっが、弥 次さんが隣の部屋に消えると、押し入れの中から死んだはずの菊が現 れ、“江戸の奴らを騙すのは訳ない”とほくそ笑んでいた。Photo_18その頃、風呂へ行ったはずの喜多八とお喜乃は、“てれすこ”の話題で宿泊客がごった返す板の間で、勧められた酒を飲み始めていた。宿泊客(六平直政)から勧められた酒を、始めは断っていたのだが、お喜乃に“だらしがないねぇ、酒くらい飲めなくてどうすんだよ!”と活を入れられ、とうとう禁酒を破って飲んでしまい、大騒ぎ……。怪我人は出す、調度品はぶっ壊す、ととんでもない事になってしまった。

_7_5 空きっ腹を抱えて三人の旅は続き、村の子供たちに捕獲されていた子狸を、子供らと弥次郎兵衛は“狸汁”にしようと河原で支度を始める。可哀想に思った喜多八とお喜乃は子狸を逃がしてやる。恩義を感じた子狸は、母狸から、“受けた恩は返さなければ、人間と同じだ”と言われと言い、喜多八たちの前に、人間の子供の格好をして恩返しに現れる。このあたりが、古典落語の「狸賽」なのである。博打場へ行き、賽子(さいころ)に化けた子狸を使って、大金を手に入れた。

 この博打場を仕切る親分(國村隼)、遊郭「島崎」の女将(波乃久里子)、遊郭の自身番太十(松重豊)、甚八(山本浩司)らが彩りを添えている。

Photo_19 お喜乃は、弥次郎兵衛に“本当は、父親は患っていない。子供の頃に売られてしまい、父親を憎んでいる”のだと打ち明ける。弥次郎兵衛も遊女のお喜乃に、数年前にコレラによって妻と一人息子を同時に失ってしまったことを語り出す。お喜乃は一人だけで沼津行きを決意し、二人を残し旅立つが、遊郭から追ってきた太十、甚八の二人に見つかってしまい、あわや囚われの身にという時に江戸から同じように追ってきた「島崎」の馴染み客らにも取り巻かれてしまった。だが、咄嗟の機転で馴染み客らを丸め込み、追っ手の二人を追い返してしまう。

Photo_20Photo_21 沼津の実家に先着したお喜乃は、折からの父親杢兵衛(笹野高史)の婚礼に出くわす。弥次郎兵衛と喜多八も後を追うが、お喜乃を連れ戻そうと追っている遊郭の自身番太十と甚八と間違た庄屋(左右田一平)や杢兵衛らは、“可哀想にお喜乃は、昨日底なし沼にはまって死んでしまいました”と嘘を言う。お喜乃の死骸が上がらないというので、悲しんだ弥次郎兵衛と喜多八は、その沼に出向き投網を打っていると、二つの骸骨がかかった。昨日死んだにしては怪しいと思いながらも廃寺で供養をする二人は、奥の扉から出てきたお喜乃に、驚くやら嬉しいやら……。

Photo_22Photo_23 一段落ついたところで、お喜乃を残し弥次郎兵衛と喜多八は沼津を後にする。途中の茶店で「“てれすこ”有ります」の旗を見つけた二人は、“てれすこ”を食べてみることにする。店の中から出てきた女将お仙(藤山直美)に注文し、弥次郎兵衛が食べ始める。“う~ん、乙な味だねぇ”と舌鼓をうっている……。弥次郎兵衛は、死んだはずの女房と息子が居る長屋で、目が覚める。やがて、その二人の姿は消えてしまった。ちょっと、ホロリとさせる場面である。そこで、弥次郎兵衛は正気に返ったが、首から上だけ出して土中に埋められている。“土の中に埋めれば、毒が抜ける”といわれた喜多八は、無事生還した弥次郎兵衛を見て、すっかり嬉しくなってしまった。目の前には喜多八が泣いていたのである。

 珍道中も、はや大詰め。弥次郎兵衛と喜多八にお喜乃が加わってハッピー・エンドとなり、また江戸へ戻っていくのであった……。

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「あゝ陸軍 -隼戦闘隊-」

1969_2new 1969年(100分)・日本/大映(戦争)
お薦め度: ★★★★ gawk
監督: 村山三男
出演: 佐藤允 (加藤健夫) 藤村志保 (加藤加寿子) 本郷功次郎 (安藤少尉) 宇津井健 (三宅少佐) 見明凡太朗 (歩兵総隊長) 北城寿太郎 (参謀) 島田正吾  石山健二郎  藤田進  峰岸隆之介  露口茂  長谷川明男  藤巻潤  南美川洋子  平井岐代子

 加藤隼戦闘隊の隊長・加藤健夫中佐の半生を描いた戦記ドラマ。

1942 北海道上川郡東旭川村出身。帝国陸軍飛行第64戦隊(通称:加藤隼戦闘隊)隊長。日中戦争を経て、太平洋戦争南方戦線に参戦。ベンガル湾上空にて戦死。

 1942年(昭和17年)5月22日、ベンガル湾上空でイギリス軍のブレニム爆撃機を追撃、撃墜したが、その時にブレニムの尾部銃座により被弾し、自領への帰還は困難と悟り、海面に突入し自爆戦死した。

 1903年9月28日、北海道上川郡にて屯田兵として京都から北海道に入植した父鉄蔵、母キミとの間に加藤家の末子(兄農夫也、姉貞)として誕生する。後に父は日露戦争に陸軍軍曹として従軍、奉天会戦にて戦死するも金鵄勲章を受勲し陸軍曹長となった。兄農夫也は陸軍士官学校を優等で卒業した逸材だったが、建夫が陸軍軍人だった父兄に倣い入校していた陸軍幼年学校生徒の時に、流行性感冒で早逝(陸軍砲工学校在学中の砲兵少尉)する。幼くして父親を亡くした妹弟の為、特に家族思いだった優しき兄を亡くした事に建夫は酷く落ち込むが、幼年学校の生徒監の支えもあり大きく持ち直し、また後の自身の人格を深く形成する事となった。(Wikiペディア参照)

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「あゝ予科練」

1968_2new 1968年(111分)・日本/東映(戦争)
お薦め度: ★★★★
監督: 村山新治
出演: 鶴田浩二  梅宮辰夫  千葉真一  谷隼人  太田博之

『あゝ同期の桜』の須崎勝弥が脚本、村山新治監督による東映戦記シリーズの第3弾。

 米軍物量作戦の前に苦戦を強いられている日本海軍。7つボタンに身を包んだ新入隊員たちは早速訓練に参加。耐え切れずに自殺者が出るほどの過酷な訓練に揉まれていく。

 敗戦間近の広島県江田島。予科飛行学校を舞台に繰り広げられる猛訓練と、特攻作戦による“虚しい抗い”を綴った作品。

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「あゝ同期の桜」

1967new 1967年(107分)・日本/東映(戦争)
お薦め度: ★★★★
監督: 中島貞夫
出演: 鶴田浩二  高倉健  松方弘樹  千葉真一  佐久間良子他

 毎日新聞社刊の海軍飛行予備学生十四期会編を、中島貞夫監督が映画化。全国のおよそ10万人の学徒たちが学業を捨て、軍人として送られた昭和18年を舞台に、海軍二等兵として舞鶴海兵団に入団した若者たちの戦争に対するそれぞれの想い、友情を描く。

 千葉真一と松方弘樹は、今では考えられないほど若く、稚拙な感じがします。“やくざ”路線で成功しちゃいましたから、どうもそういうイメージで見てしまいますね。

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「あヽ零戦」

1965new 1965年(87分)・日本/大映(戦争)
お薦め度: ★★★★ wink
監督: 村山三男
出演: 本郷功次郎  長谷川明男  成田三樹夫  青山良彦  二木てるみ  小柳徹  早川雄三  根上淳  大橋一元  蛍雪太朗

 日本海軍の戦闘機「零戦」の活躍を軸に、青年兵士の友情と死を描いた戦記映画。特撮・築地米三郎による空中戦は見応え充分な作品。

 東宝映画製作の「零戦燃ゆ」という作品もありましたね。主演は加山雄三でしたが、こちらは“零戦の開発”期に主眼を置いたものです。

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「あゝ決戦航空隊」

1974new1974年(199分)・日本/東映(戦争)
お薦め度: ★★★★☆ weep
監督: 山下耕作
出演: 鶴田浩二  北大路欣也  小林旭  松方弘樹  渡瀬恒彦他

 太平洋戦争を舞台に、神風特別攻撃隊の嚆矢となった作戦を描く長編戦記スペクタクル。

 まさに長編!199分ですから。戦記物が好きな方にはお薦めの作品です。

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「人間魚雷 -あゝ回天特別攻撃隊-」

1968new 1968年(104分)・日本/東映(戦争)
お薦め度: ★★★★☆
監督: 小沢茂弘
出演: 鶴田浩二  松方弘樹  伊丹十三  梅宮辰夫  山田太郎他

「あゝ同期の桜」姉妹篇。毎日新聞社による「人間魚雷回天特別攻撃隊員の手記」を、小沢茂弘監督が映画化。

 特殊潜航艇甲標的の基地に赴任した三島は、同室の大里が敗色が強い戦法を打開するため、魚雷に人間が乗り込んで敵艦に体当りするという構想を描いていることを知る。

 戦争映画、とくに日本映画を何本か見ていくと、“どんより暗い”というイメージが払拭できません。特攻と冠した作品は特にそういう感じがしますね。“時代背景”といってしまえばそれまでですが、一つしかない人間の命を軽視しています。人類と“戦”とは切り離せないのでしょうか? もっとも、“自由”という事も履き違えている者も多いようですが……。

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「あゝ海軍」

1969new 1969年(121分)・日本/大映(戦争)
お薦め度: ★★★★ weep
監督: 村山三男
出演: 中村吉右衛門 (平田一郎) 峰岸隆之介 (本多勇) 宇津井健 (岡野大尉) 本郷功次郎 (荒木中尉) 中条静夫 (参謀) 成田三樹夫  藤巻潤  露口茂  長谷川明男  平泉征  酒井修  菅原謙次

 太平洋戦争を舞台背景に、海軍兵学校に学ぶ青年がやがて将校として戦争に参加していくまでを描いた戦記映画。ラストシーンが泣かせます。

 若い中村吉右衛門が見られます。当然と言えば当然ですね。峰岸徹が改名前の峰岸隆之介で出演していますし、成田三樹夫、平泉征など、必ず悪役で出てますね。

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「あゝ!一軒家プロレス」

2004_2new 2004年(100分)・日本(コメディ)
お薦め度: ★★★★ happy01
監督: 久保直樹
出演: 橋本真也 (獅子王耕太)  ソニン (石塚那美)  粟田麗 (獅子王麻美)  片桐仁 (織田(ラーメンズ)) 水道橋博士 (竹中医師(浅草キッド)) 玉袋筋太郎 (獅子王邸現場監督(浅草キッド)) ニコラス・ペタス (マーク一条)  柳浩太郎 (徹)  菅田俊 (安藤)  佐野史郎 (山路直人)

 高橋がなり率いるアダルトビデオ業界の最大手ソフト・オン・デマンドが初の一般映画制作に乗り出すべく、5億円を投じて撮り上げた異色作。主演は現役プロレスラー橋本真也。共演はこれが映画初出演となる人気アーティストのソニン。また、高橋がなりの師匠テリー伊藤が原案と総合演出で強力バックアップ。

 テレビ番組から話題となり、人気プロレス団体に成長した“ZERO”の看板レスラー、獅子王耕太。彼は愛する妻・麻美のためついに念願の一軒家を建て、この日、その豪邸で新築完成パーティが盛大に行なわれていた。パーティにはマネージャーで義妹の那美、TV局プロデューサー山路らに加え、獅子王と因縁深い一条もやって来る。やがて一条と若手レスラーの小競り合いが、獅子王も巻き込んだ大乱闘に発展、夢のマイホームが一瞬のうちに崩れ去ってしまうのだった。麻美の長年の夢だったマイホームを再建するため奔走する獅子王だったが……。

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「パッチギ!」

2004new 2004(平成16)年・シネカノン(ドラマ)・119分

お薦め度: ★★★★☆ happy01

監督: 井筒和幸  原案: 松山猛

出演: 塩谷瞬 (松山康介)  高岡蒼佑 (リ・アンソン)  沢尻エリカ (リ・キョンジャ)  楊原京子 (桃子)  尾上寛之 (チェドキ)  真木よう子 (チョン・ガンジャ)  小出恵介 (吉田紀男)  波岡一喜 (モトキ・バンホー)  オダギリジョー (酒屋の息子坂崎)  光石研 (布川先生)  加瀬亮 (野口ヒデト)  キムラ緑子 (アンソン、キョンジャの母)  余貴美子 (康介の母さなえ)  大友康平 (KSB ラジオ局ディレクター)  前田吟 (バンホーの父)  笑福亭松之助 (団子屋のおっちゃん)  ぼんちおさむ (ボーリング場支配人)  笹野高史 (チェドキの伯父)  ケンドーコバヤシ (東高空手部大西)  桐谷健太 (近藤)  出口哲也 (安倍) 平松豊 (滝本) 坂口拓  (大阪ホープ会のリーダー)  木下ほうか (ボンファ)  江口のりこ (ヘヨン)  ちすん (シルサ)  徳井優 (大西の父)  松澤一之 (KSBラジオ局プロデューサー椿) 小市慢太郎 (楽器店主) 長原成樹 (アル中のおっちゃん)

 今回は、京都に暮らす在日朝鮮人の日常を爽やかに描いた2004年公開のコメディ「パッチギ!」です。第二弾は予想に反して、それほど面白くはなかった感じがする。

 「ゲロッパ!」「岸和田少年愚連隊」の井筒和幸監督が60年代の京都を舞台に描いた青春群像ドラマ。ザ・フォーク・クルセダーズのカバーでも知られる朝鮮分断の悲しみを歌った名曲『イムジン河』、松山猛による自伝的小説『少年Mのイムジン河』をモチーフに、「穴/夢穴」の羽原大介と井筒監督が共同で脚本を執筆。撮影を「パローレ ~あまい囁き~」の山本英夫が担当している。主演は、「TOKYO NOIR トウキョーノワール」の塩谷瞬と「コンクリート」の高岡蒼佑、「問題のない私たち」の沢尻エリカ。第17回東京国際映画祭特別招待作品部門出品、文化庁支援作品。タイトルの“パッチギ!”とは、ハングル語で“突き破る、乗り越える”という意味で、“頭突き”の意味をも持つ。

 【あらすじ】 騒動を巻き起こす日本と在日朝鮮の高校生たちの恋や友情を熱く感動的に綴る。在日朝鮮人の女子高生に一目惚れした日本人高校生の恋の行方と、彼らを巡る若者たちの姿を活写した青春ドラマ。

_10_4 【ものがたり】 1968年の京都。いきなりジャズ喫茶で“OX(オックス)”の演奏から物語は始まる。当時流行していた“グループ・サウンズ”を見て、興奮のあまり失神する女性客が大勢いた。京都府立東高校2年生の軟弱な二人組“康介(塩谷瞬)と紀男(小出恵介)”は、ビートルズの髪型を真似、“カーナ・ビーツ”を気取っているのだが、女の子にさっぱりモテない。そんな時、九州からバスで卒業旅行に京都へやって来ていた悪ガキ高校生が、下校途中のキョンジャ(沢尻エリカ)とシルサ (ちすん) をからかった事から、朝鮮高校の生徒らが押し寄せ、バスを横転させる事件が起こった。

_7_8  授業中、毛沢東に傾倒し“毛沢東語録”を振りかざす担任の布川先生(光石研)から、「戦争をなくすために、戦争をするのだ」と、“平和”の使者として、敵対する朝鮮高校に親善サッカー試合を申し込みに行くように言われ、嫌々やって来た康介と紀男だったが、職員室を探すうち、吹奏楽部でフルートを吹く女子高生・キョンジャに出会い、一目惚れする。ところが、彼女は朝高の番長アンソン(高岡蒼佑)の妹だったのだ。そ_18_5れでも諦め切れない彼は、彼女らが演奏していた『イムジン河』を酒屋の息子(オダギリ・ジョー)に習い、ギターを練習し、古本屋で買ってきた辞書で片言ながら韓国語を覚え、帰国船で祖国に帰る決意をしたアンソンを祝う宴会の席で、彼女と合奏。見事、仲良くなることが出来たのであった。この宴席に飛び入り参加したKSBラジオ局のディレクター(大友康平)の勧めにより康介は“イムジン河”をラジオで歌うことになった。

_15_2  しかしその一方で、アンソンたち朝高と東高空手部(ケンドー・コバヤシら)との争いは激化するばかり。遂に、アンソンの後輩・チェドキ(尾上寛之)が事故で命を落としてしまう。悲しみの通夜。参列した康介は、遺族(笹野高史)から日本に対する恨みをぶつけられ、未だ民族間に越えられない壁があることを痛感しショ_16 _6 ックを受ける。だがその夜、ラジオの“勝ち抜きフォーク合戦"に出演した彼は、複雑な心境を放送禁止歌の『イムジン河』に託して熱唱。果たして、それはキョンジャの胸に届き、同じ頃、東高空手部との抗争に臨んでいたアンソンもまた、高校を中退して看護士になっていたチョン・ガンジャ(真木よう子)から、恋人・桃子(楊原京子)の出産の報せに少年の季節が終わったことを自覚するのであった。こうして、それぞれの様々な壁を突き破った彼らは、未来へ向けて新たな一歩を踏み出すのであった……。

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【お詫びと訂正】 今回、ご指摘がありました箇所“下校途中のキョンジャ(沢尻エリカ)とヘヨン (江口のりこ) をからかった事から、朝鮮高校の生徒らが押し寄せ、バスを横転させる事件が起こった。” を“下校途中のキョンジャ(沢尻エリカ)とシルサ (ちすん) をからかった事から、朝鮮高校の生徒らが押し寄せ、バスを横転させる事件が起こった。”に訂正いたしました。

 謹んで、お詫び致します。

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「飢餓海峡」

1965new 1964(昭和39)年・東映(サスペンス)・183分

お薦め度: ★★★★★ weep

監督: 内田吐夢  原作: 水上勉

出演: 三國連太郎(犬飼多吉/樽見京一郎) 左幸子(杉戸八重) 伴淳三郎(弓坂吉太郎) 高倉健(味村時雄) 加藤嘉(杉戸長左衛門) 風見章子 (樽見敏子) 進藤幸 (弓坂織江) 加藤忠 (刈田治助) 岡野耕作 (戸波刑事) 菅原正 (佐藤刑事) 志摩栄 (岩内署長) 外山高士 (田島清之助) 河合絃司 (単本虎次郎) 最上逸馬 (沼田八郎)安藤三男 (木島忠吉) 曽根秀介 (朝日館主人) 牧野内とみ子 (朝日館女中) 北山達也 (札幌の警部補) 山本麟一 (和尚) 大久保正信 (函館の漁師辰次) 矢野昭 (下北の漁師) 西村淳二 (下北の巡査) 遠藤慎子 (巫子) 田村錦人 (大湊の巡査) 沢彰謙 (来間未吉) 安城百合子 (葛城時子) 荒木玉枝 (富貴屋のおかみ) 河村久子 (煙草屋のおかみ) 亀石征一郎 (小川) 須賀良 (鉄) 八名信夫 (町田) 久保一 (池袋の警官) 北峰有二 (警視庁の係官) 三井弘次 (本島進市) 沢村貞子 (本島妙子) 高須準之助 (竹中誠一) 藤田進 (荻村利吉東舞鶴警察署長) 鈴木昭夫 (唐木刑事) 関山耕司 (堀口刑事) 斎藤三男 (嘱託医)

Img_471736_57463152_0 水上勉の同名小説を「鮫」の鈴木尚之が脚色「宮本武蔵 一条寺の決闘」の内田吐夢が監督した推理劇。撮影は「路傍の石(1963)」の仲沢半次郎。名匠・内田吐夢監督による日本映画史上に残る不朽の名作。困窮を極めた人間の欲望と運命、そして善悪とは……!? さまざまな人物の人生の変転を複雑な社会機構を背景に巧みに描いた傑作。戦後の混乱冷めやらぬ頃、台風が津軽海峡を襲い、青函連絡船が沈没。だが収容した死体は乗客名簿より2名多かった。転覆事故のどさくさにまぎれた殺人事件の犯人を、老刑事・弓坂は10年に渡って追い続けていた……。心の中に潜む善と悪を描くサスペンス。

G50619  【あらすじ】 敗戦間もない昭和22年、青函連絡船・層雲丸が台風の直撃により沈没した。一方、その日岩内町では町の8割を焼き尽くす大火事が発生していた。そして、焼け跡の質屋から一家惨殺死体が発見され、大金が奪われていた。更に層雲丸沈没による遭難者の死体を引き上げた際、引き取り手のない2名の死体が残った。「この2名は他殺なのではないか?」早速捜査を開始する函館署の弓坂刑事の前に、一人の大男・犬飼多吉の存在が浮び上がる……。

Kiga5  【ものがたり】 昭和22年9月20日。10号台風の最中に北海道岩内で凶悪事件が発生。質店の一家三人が惨殺され、犯人は放火後、姿をくらましたのだ。そして折からの台風のため嵐となった津軽海峡で青函連絡船“層雲丸”沈没の惨事が起き、船客532名の生命を奪った。遺体収容にあたった函館警察の弓坂刑事(伴淳三郎)は、引き取り手もなく船客名簿にもない二つの死体に疑惑を抱いたことから質店一家殺しの犯人の糸口を掴み、岩内警察からの事件の報告も、弓坂に確信を持たせた。

Kiga4 Kiga2  事件の三日前、朝日温泉に出かけた質屋の主人は、この日、網走刑務所を出所した強盗犯沼田八郎(最上逸馬)と木島忠吉(安藤三男)、それに札幌の犬飼多吉(三國連太郎)と名乗る大男と同宿していた。質屋の主人が、自宅に78万円の現金を保管していたことも判明した。弓坂は、犬飼多吉が記帳したとされる宿帳の住所を訪ねたが該当者は見当たらず、沼田と木島の複製写真が出来るまでは死体の照合も出来なかった。だが弓坂は遺体収容でごった返している浜で漁師から聴取した“消防団と名乗る大男が、連絡船の遺体を引き上げるため、船を借りていった”という証言により、犬飼が渡ったと見られる青森県下北半島に向かい、そこで船を焼いた痕跡を発見した。“犬飼が上陸したことは間違いない”と確信し、焼け跡の灰をハンカチに包んで持ち帰る。

Kiga8 その頃、杉戸八重(左幸子)は貧しい家庭を支えるために大湊(現むつ市)で娼婦になっていたが、一夜を共にした犬飼は、八重に三万四千円の金を手渡し、黙って去った。

Kiga7_2 悲惨な境涯から抜け出したいと願っていながら、現実に押しつぶされかけていた八重に、その大金は思いがけない希望を与えてくれるものだった。八重はその恩人への感謝のつもりで、自分が切ってやった大きな爪を肌身に付けて持っていた。そんな時、八重の前に犬飼の件で弓坂が聞き込みに現われたが、八重は犬飼を庇って何も話さなかった。八重は借金を返済すると、密かに東京へ発った。

Kiga6_2  一方、写真鑑定の結果死体は沼田と木島であり、二人は“事件後に逃亡中、金の奪い合いから犬飼に殺害された”と推定された。その犬飼を知っている者は八重だけであった。弓坂の労もむなしく、終戦後、間もない混乱期であり八重を発見する事は出来ず、そのうち捜査本部も解散、事件は迷宮入りとなる。

Kiga9  それから10年後、皮肉な運命の歯車は回り始めた。一途な女の愛の執念は、愛する男を新たなる犯罪の渦中へと引きずり込んで行くのだった……。東京へ出た八重は、やはり娼館で働いていた。ふと新聞に目が止まり、10年間思い続けてきた“犬飼”の写真を発見する。“舞鶴の澱紛工場主の樽見京一郎氏、刑余更生事業資金に三千万寄贈”という記事を見た八重Kiga10_2は、“犬飼さんに会って、一言お礼が言いたい”という一念で舞鶴へ向かった。 しかし八重が訪ねた樽見京一郎は「犬飼などという男は知りません。大湊へ行ったことはありますが、あなたとは初対面ですし、まして金を渡すなど、そんな事は絶対にない」(関西弁での台詞)と素気なく否定されてしまった。それでも必死に食い下がる八重を持て余した樽見は、いつしか現実と過去が入り交じり、混濁した意識のなか、とうとう八重を絞殺してしまった。

Kigakaikyo320240_s1_2  我に返り、悔やむ樽見だったが、殺人現場を書生に見られてしまい、二人を無理心中に仕立て、遺棄してしまう。こうして八重は樽見を訪問した翌日、樽見家の書生と心中死体となって発見された。だが女の頸椎が折られていた事に疑問を持った東舞鶴警察の味村刑事は、偽装殺人ではないかと疑う。また、懐中から“舞鶴の澱紛工場主樽見京一郎氏が、刑余更生事業資金に三千万を寄贈した”という新聞の切り抜きを発見し、樽見京一郎と女との関係を捜査し始める。

 樽見京一郎の本籍を訪ねた味村刑事らは、とても人間が住むような所ではなく、極貧だったであろう生い立ちを、その廃屋から感じとっていた。「そういった所で暮らしてきた者は、どういう考えを持ち、どういった行動をとるのだろうか?」と、舞鶴署に戻った味村は署長に報告するのだった。

 東舞鶴警察は遺体検分のため、大湊から父の長左衛門、東京から娼館の主人・本島を呼び寄せた。本島は味村刑事に「気立ての良い娘で、爪に火を灯すように貯めた金を置いて、心中なんてするもんですかねぇ? 私には信じられない」と言い、八重の父親からは「十年前に、八重の所へ函館署の弓坂という刑事が来たことがあった」との証言を聞き及び、すぐさま函館に向かった。樽見が犬飼であるという確証は、昔の犯行の罪滅ぼしに、彼が刑余者更生に寄附したことだ、と位置づけた。

117310403615711744Kiga11  現在は函館警察署を退職し、困窮した生活を強いられていた弓坂を味村刑事が訪ね、10年前の事件の捜査に協力して欲しいと懇願する。弓坂の家族は、いまさら昔の事件などへ介入する事に反対する。だが、弓坂は“自分に架せられた、一生の仕事だ”と味村刑事と共に舞鶴へ向かう。捜査本部は執拗に樽見を責めるが、樽見はしらを切り通すのであった。樽見の大罪は、八重が東京の娼館に残してきた柳行李の中から発見された“純愛の記念にと残した、犬飼の爪と三万四千円を包んだ、当時の岩内事件の古新聞”から崩れていった。

Kiga14Kiga13_2  八重殺しは認めた樽見であったが、10年前の、沼田と木島の件は正当防衛であり、それを立証するため函館へ連れていって欲しいと言い出す。青函連絡船で函館へ護送される途中、津軽海峡で恐山を前にし、般若心経を唱える弓坂。そして、樽見は献花を海に投げるフリをして、あっという間に護送する刑事たちを尻目に、投身自殺してしまう。暗い海に残されたのは、青函連絡船の白い軌跡だけであった……。

Kiga12 弓坂: 「誠に悲しいことです。お互いに、人間と人間が信頼し合えないなんて……。あんたは八重さんさえも信じなかった。」

 「樽見さん。あんたが歩んできた道には草も木も生えんのですか?……」という台詞が、この物語のすべてを語っているように思える。

 【あとがき】 “洞爺丸”遭難事故を題材に作られた原作であるが、時は異にしている。また、青函連絡船関係者によると“映画のような投身自殺は無理であろう”という見解を発表している。

 伴淳三郎という喜劇俳優を主役に抜擢した内田吐夢監督は、演技指導を繰り返し、為にすっかり意気消沈してしまった伴淳三郎であったが、喜劇俳優から脱皮した“伴淳”を見事に世に送り出したのである。それほど見応えのある骨太の演技に脱帽する。

Photo1961_2 喜劇役者や軽妙な演技で定評のある俳優が開眼したといえる作品を少しだけご紹介してみよう。フランキー堺主演「私は貝になりたい」(1959/東宝)と、小林桂樹・高峰秀子主演「名もなく貧しく美しく」(1961/東宝)である。二人の俳優ともに、東宝の専属で森繁久彌主演「社長漫遊シリーズ」、「駅前シリーズ」などでコミカルな演技を得意とする俳優さんで あった。小林桂樹主演「裸の大将・放1958浪記」(1958/東宝)は、山下清の自伝的映画でしたが、芦屋雁之助 主演のテレビドラマより、一味もふた味も違う、上手い演技で、凄く面白かった事を記憶しています。「名もなく貧しく美しく」では、聾唖者の夫婦の情愛をきめ細かく演じた秀作です。「私は貝になりたい」は、飄々としたフランキー堺が戦後内地に帰り職業の理髪店にMPが現れ、有無を言わさずB・C級戦犯として現地で裁かれ絞首刑になる、という不条理な物語でした。

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「かもめ食堂」

20052005年・日本(ドラマ)・102分 new
お薦め度: ★★★★★ happy01
監督: 荻上直子
出演: 小林聡美  片桐はいり  もたいまさこ  ヤルッコ・ニエミ  タリア・マルクス マルック・ペルトラ

 群ようこが本作のために書き下ろした小説を、『バーバー吉野』の荻上直子監督が映画化した人間讃歌。凛としたたたずまいの中に優しさをのぞかせる食堂の店主役には、テレビドラマ「やっぱり猫が好き!」などで活躍する小林聡美。共演は『過去のない男』のマルック・ペルトラや『すいか』で共演した片桐はいり、『ALWAYS三丁目の奇跡』のもたいまさこ。この個性的な面々がフィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、のんびりゆったりとした交流を繰り広げていく様子を見るだけで幸せな気分になれる。

2006  2003年に『バーバー吉野』でデビューした新鋭・荻上監督の最新作。『バーバー吉野』と続く『恋は五・七・五!』に流れていた、監督独特の心地よい空気感は本作でも健在。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこと、唯一無二の存在感を発揮する女優を迎え、何とも不思議で暖かな作品が誕生した。原作は人気作家、群ようこが初めて映画のために書き下ろした。日本から最も近いヨーロッパの国、フィンランドの小さな食堂で過ぎていく緩やかな時間は、とても贅沢な気分を味わわせてくれるはず。また、食堂を訪れる客のひとりとして、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキの『過去のない男』の主演俳優、マルック・ペルトラが出演している。

_6 _4  「バーバー吉野」の荻上直子監督が全編フィンランドロケで撮り上げたハートフルなコメディ・ドラマ。フィンランドのヘルシンキを舞台に3人の日本人女性と地元の人々とのちょっと奇妙で心温まる交流をゆるやかな時間の流れの中で綴る。主演はTVドラマ「すいか」でも共演している小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ。フィンランドのヘルシンキに“かめも食堂”という小さな食堂をオープンした日本人女性サチエ。しかし、やって来たお客は日本のアニメ好きなおたく青年だけ。それでもめげずに淡々と営業を続けるサチエは、やがて訳ありな2人の日本人女性と出会うのだった。

Photo 3  サチエ(小林聡美)はヘルシンキで“かもめ食堂”を始めたものの客はゼロ。ある日彼女は最初の客で日本かぶれの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)に「ガッチャマン」の歌詞を教えてくれと言われるが、出だししか思い出せないでいる。一日中、その事が頭から離れないでいた時、彼女は偶然本屋で「ムーミン谷……」を読み耽っているミドリ(片桐はいり)と出会い、アニメ・ソング「ガッチャマン」の歌詞を教えてもらったのがきっかけで、一緒に住むようになる。店は暇だったが、特に目的があってフィンランドまで来たわけではなかったミドリは、「店を手伝わせてくれませんか? もちろん、給料なんていりませんから……」と、それから二人はメイン・メニューの“おにぎり”のニュー・バージョンを試行錯誤するのだが……。

_5Photo_4  最初のお客、日本オタクの青年トンミは「かもめ食堂」の終生コーヒー無料の特典を与えられた。店を手伝うようになるミドリ。店のウィンドウ越しに、いつも覗いてばかりのおばさん3人組。おいしいコービーの作り方を伝授して帰っていく、おじさん。店の前で、睨みつけては黙って去っていくおばさん。「私の荷物、見つからないでしょうか?」と携帯電話を使っている日本人女性。でも、いつしか店にはちらほらお客の姿が……。みんな箸の使い方が上手です。

 ヘルシンキの市場や林、海など……。自然がいっぱいです! のんびり、ゆったりとした時間を過ごせます。

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「青春デンデケデケデケ」

Photo_181992年・松竹(ドラマ)・110分 new
お勧め度: ★★★★★ happy01
監督: 大林宣彦
原作: 芦原すなお「青春デンデケデケデケ」
出演: 林泰文 (藤原竹良) 柴山智加 (唐本幸代) 岸部一徳 (寺内先生) ベンガル (藤原孝行) 大森嘉文 (合田富士男) 浅野忠信 (白井清一) 永堀剛敏 (岡下巧) 佐藤真一郎 (谷口静夫) 滝沢涼子 (引地めぐみ) 原田和代 (内村百合子) 梶原阿貴 (羽島加津子) 高橋かおり (石山恵美子) 根岸季衣 (藤原絹江) 日下武史 (合田浄信) 尾藤イサオ (白井清太郎) 入江若葉 (白井志乃) 水島かおり (白井美貴) 河原さぶ (吉田工場長) 天宮良 (田中和夫) 安田伸 (西村義治) 尾美としのり (藤原杉基) 佐野史郎 勝野洋

 昭和35年当時の香川県坂出市観音寺。ベンチャーズのデンデケデケデケで電気的啓示を受けたチッ君たちのバンド騒動記……。

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_5  1960年代中頃の四国の田舎町を舞台に、ベンチャーズに憧れ、ロックバンドに情熱を燃やす高校生たちの姿を軽妙でノスタルジックに描いた青春ドラマ。直木賞を受賞した芦原すなおの同名小説を、「転校生」、「さびしんぼう」の大林宣彦監督が映画化。1965年の春休み。四国・香川県坂出市の観音寺。高校入学を目前に控えた藤原竹良は、昼寝中にラジオから流れてきたベンチャーズの「パイプライン」に衝撃を受け、高校に入るや仲間を集めてロックバンドを結成する……。今を時めく「浅野忠信」も魚屋の息子役で、エレキ小僧を熱演。寺の息子役で、ベース・ギター担当の大森嘉文(関西お笑い芸人、島田伸介の従弟)は、当時から上手い役者さんでした! 自己中で、アンニュイな役所の引地めぐみ嬢(滝沢京子)も良い味を出してます。

_3_3_4_3  時は1965年3月、香川県の観音寺に住む高校進学を控えた少年・藤原竹良(ちっくん)は、ラジオから流れてきたベンチャーズの「パイプライン」の「デンデケデケデケ」というグリッサンド奏法に「電気的啓示」を受け、ロックミュージックに憧れる。高校に進学した竹良は、家業が魚屋の白井清一、寺の跡取りの合田富士男、練り物屋の息子の岡下巧といった一癖ある仲間を誘ってロックバンドを結成する。しかし彼らには楽器がなく、夏休みのアルバイトでお金を稼いで楽器を手に入れ、いざ練習となると場所の確保に一苦労……、といった苦難を乗り越え、ようやくバンド「ロッキングホースメン」の活動がスタートする。お寺、牛小屋、空き地、参道などでの練習、祖谷渓での夏休みの合宿、岡下君の初恋話、バンドの技術顧問となる「しーさん」(谷口静夫)との出会い、親しい先生との死別などを経験しながらバンドは街のスナックのクリスマスパーティーでデビューを果たす。そして三年生の文化祭のコンサートを成功させた。文化祭の後、メンバーはそれぞれの進路に向かって準備を始め、竹良は東京の大学への進学を決める。受験を控え、バンドゆかりの地をめぐる竹良。観音寺に戻ってきた彼をバンドのメンバーが出迎える。彼らが竹良に贈ったものは……。

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Photo_21Photo_22 Photo_23 Photo_24 Photo_25 Photo_26 Photo_27 Photo_28 Photo_29 Photo_30 Photo_31 Photo_32 Photo_33The_ventures_2_2 The_ventures_3 The_ventures_2

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「異人たちとの夏」

Photo_51988年・松竹(ドラマ)・110分 new
お勧め度: ★★★★★ happy01
監督: 大林宣彦  原作: 山田太一
出演: 風間杜夫  秋吉久美子  片岡鶴太郎  名取裕子 永島敏行  川田あつ子  ベンガル  笹野高史  角替和枝  奥村公延  桂米丸  声の出演: 入江若葉

 中年のシナリオ・ライターが、幼い頃死んだはずの両親と再会する不思議な体験を描く。山田太一原作の同名小説の映画化で、市川森一が脚色。監督は「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」の大林宣彦、撮影は「PARIS-DAKAR 15 000 栄光への挑戦」の阪本善尚がそれぞれ担当。

Photo_6  死んだ両親(現在の自分とほぼ同年輩の姿)と再会する。同時にある女性と親しくなるが、両親との邂逅を繰り返すたび、主人公の身体はなぜか衰弱していく。人間と幽霊の間の愛と情念とを情感豊かに描き込んだ佳作。派手な特撮ではないが、幽霊のシーンに効果的に合成が使用されている。

_8   原田英雄(風間杜夫)は40歳のシナリオ・ライター。妻子と別れ、今はマンションに一人暮らしをしていた。ある日、英雄は幼い頃に住んでいた浅草に出かけ、浅草演芸場へブラリと入った。そこで後姿に見覚えのある男を見つけ、愕然とする。その男とは、死んだはずの父親であり、その父親に誘われるまま横丁のアパートへ来てしまった。

Photo_8 _2_2  両親は英雄が12歳の時に交通事故で死亡したが、なぜかその時の年齢のまま、浅草に住んでいた。英雄は懐かしさのあまり、浅草の両親アパートへ度々通うようになる。一方で、英雄は同じマンションに住む桂(名取裕子)という美しく謎めいた女性と親しくなり、愛し合うようになっていた。彼女は、「もう両親には会わない方が良い」という。異人(幽霊)と近づくと、それだけ自分の体は衰弱し、死に近づくのだ。ある日、英雄は洗面所の鏡を見て呆然とする。鏡に映っている姿は、以前の若く、逞しく、生気に充ちたそれではなく、白髪の頬や眼孔の落ちくぼんだ老人の様相を呈していたのだ。英雄はようやく両親と別れる決心をし、浅草のすき焼き屋で親子水いらず別れの宴を催した。暖かい両親の愛情に接し、英雄が涙ながらに別れを告げると、ほとんど箸を付けもせず、落ち着かない様子で英雄を見守っていた両親は、「私たち二人は、おまえの事をとっても大事に思っているよ」、「じゃぁね」、「あばよ!」……。二人の姿は消えて往った。

Photo_9 Photo_10  しかし、英雄の衰弱は止まらない。実は、桂も異人(幽霊)だったのだ。男にフラれ、初めて英雄の部屋に飲みかけのシャンパンを持って、唐突に尋ねて来た晩にもすげなく追い払われた桂は、ずっと以前に自室で自殺していたのだった。愛と憎しみに狂った異人は英雄に迫ったが、友人・間宮(永島敏行)の機転で英雄は助けられた。その後、体調の回復した英雄は間宮を誘い、両親のもとに花と線香を手向け、二人で缶ビールを飲みながら、静かな夏の日の不思議な体験を回想するのだった……。

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「てなもんや商社/萬福中国貿易商社」

19981998年・松竹/フジテレビジョン・97分 new
お薦め度: ★★★★★ happy01good
監督: 本木克英
原作: 谷崎光「てなもんや商社」(文芸春秋刊)
出演: 小林聡美(ひかり) 渡辺謙(王課長) 鄭浩南(李さん) 香川照之(菅野先輩) 柴俊夫(岩田部長) 田中邦衛(ひかりの父) 波乃久里子(ひかりの母) 鶴田忍(谷部長) 金田明夫(土田課長) 柴田理恵(先輩事務員たまご) 桃井かおり(王課長の奥さん)

 日本を代表するコメディアンヌのひとり小林聡美が主演したコメディ。安易な気持ちで貿易会社に就職した女の子が思わぬトラブルに見舞われながらもたくましく奮闘するさまを描く。向上心のかけらもないひかりが、持ち前の度胸と体力だけを武器に中国との貿易会社に就職した。しかし入社してみると、その目論見はもろくも崩れ去り、日本と中国の習慣の違いでトラブルが続出。悪戦苦闘の連続ながら、何とか一つ一つ障害を乗り越えて行く様を描く……。

_2_2  やっと商社に勤めた主人公星野ひかりが、対中国貿易の最前線でメキメキと成長して行く様子をユーモアたっぷりに描いている。主演は小林聡美。この人は色気抜きの映画でもガサツにならず、実にさっぱりとした芝居を見せてくれる女優さんです。監督はこれがデビュー作の本木克英。『サラリーマン専科』シリーズの朝原雄三監督と同期入社の社員監督。松竹自身のサイトの作品リストにも掲載されていない、という不遇(?)な作品。

 現代っ子OLが、就職した中国との貿易会社の仕事を通じて逞しく成長していく姿を描いた青春コメディ。監督は本作品が初監督作となる本木克英。谷崎光の原作を、榎祐平が脚色。撮影を「虹をつかむ男 南国奮斗篇」の長沼六男が担当している。主演は「ゴジラVSモスラ」の小林聡美。

Photo_15  女性新入社員が仕事に生き甲斐を見い出して行く姿を描く爽やかなコメディ。お気楽な女子大生のひかりが、ほんの腰掛け程度のつもりで萬福中国貿易に就職する。ところがいきなり、取引先の中国での大仕事を任されて大あわて。一人異国の地でオロオロする彼女だったが、中国人のいい加減な仕事ぶりに怒りが爆発、がぜんやる気を出して大奮闘する。明るく元気なヒロインに扮する小林聡美のコミカルな演技が絶妙。上司役の渡辺謙も、飄々とした演技で笑いを誘う。

19962_2Photo_16  1987年。就職なんて結婚までの腰掛けと高をくくっていたひかり(小林聡美)は、面接22社目にしてやっと内定をもらった「萬福中国貿易商社」で働くことになった。営業部に配属になった彼女は、早速、華僑の王課長(渡辺謙)の下で中国の工場から送られてくる商品のチェックをするようになる。だが、到着した品物はいい加減な作りのものばかり。しかも、納期は平気で守らない中国側の仕事ぶりに、泣きたいやら、呆れるやら、憤慨するやら……。そんなある日、ひかりは王課長と共に突然の中国出張_3を命じられる。アパレル会社のお得意さんを連れての、現地検品を兼ねた接待出張だ。ここか らが、この映画の最も面白い場面なので、ご紹介いたしておきましょう。中国のホテル内のステージ付きラウンジで、接待客の谷部長(鶴田忍)、土田課長(金田明夫)、ひかり女史の3人は、少年隊の「仮面舞踏会」を歌って踊ります。なかなかフリも決まってますし、3人とも首には風呂敷風の布を縛り付け、まるで昔のヒーロー「月光仮面」(笑)です。間奏中に、ひかりがマイク・スタンドを蹴り倒すシーンがありますが、これが爆笑ものなんです。かく言う私も、昭和30年代(「Allways 三丁目の夕日」みたいですね)には、月光仮面の真似をして遊んだものでした。

Photo_29 Photo_30  ところが一通りの接待が済むと、王課長は検品の仕事をひかりに任せて、お得意さんと一緒に上海へ遊びに行ってしまったのである。一人残されたひかりは、中国側の公司代表の李さん(鄭浩南)と工場へ商品の検品へと赴くことに。しかし、あの手この手で検品をはぐらかそうとする工場長(NHKで放映した、「大地の子」(山崎豊子原作)でも中国訪日団団長役で出演)連中に、ペーペーのひかりは翻弄されっ放し。頼みの綱の李さんも、のらりくらりとして頼りにならない。結局、自分で頑張るしかないと悟ったひかりは、意地になって仕事を遂行しようとする。しかし、広大な中国大陸の中にあって、彼女はそんな細かなことに振り回される自分の姿が、やけにちっぽけに見えてきてしまうのだった……。

Photo_19 Photo_20  それから数年後、萬福貿易商社にはすっかり一人前に仕事をこなすひかりの姿があった。相変わらず、先輩女子社員のたまごさん(柴田理恵)は、食品部のチャン課長のファンだったが、香港返還を機に萬福貿易を退社することになる。日課になっているホワイト・ボードの「ノーリターン」の文字を見て、「もう、本当に帰って来ないのね!」と号泣(それはもう凄まじい情景)するのでした。

 中国へ出張に出かけても、堂々と渡り歩く度量もついた。そんなある日、彼女は出張先で李さんと偶然再会する。公司の仕事を辞め、夢であった会社設立を現実にした李さんは、ひかりに尋ねた。「あなたの夢はなんですか?」その質問に即答できなかったひかりは、帰国後、いつか自分の夢を持てるような仕事を見つけようと心に誓うのであった……。

Photo_21 Photo_22  主人公のキャラクターは今更言うまでもなく抜群ですが、田中邦衛演ずる父親がけっこう良い味出してます。就職がなかなか決まらない娘に、「お金を得るには、稼ぐ、盗る、貰う。この3種類しかないんだ。お前もそのどれにするか、早く決めなさい」と言う場面や、つまらない会社で3年を無駄にしたという娘に「3年無駄にしたなら、3年長生きしなさい。人生の回り道は、年をとると味になる」と言う……。こんな臭い台詞も、田中邦衛がしゃべると何故か妙に納得してしまうから不思議ですよね。

Photo_23 Photo_24  渡辺謙が演じている、主人公の上司、王(ワン)課長も実に面白い。日本に住む華僑で、中国貿易のエキスパート。仕事が出来て、部下の面倒見が良く、男女差別は一切なし。しかも愛妻家で、料理が上手。新しい仕事に対するチャレンジ精神旺盛で、どんな困難な仕事でも楽しみながらやる気構えを持っている。部下や取引先が失敗をしても、相手の面子を立てて強くは叱らない。この映画を観た人は、王課長が「理想の上司」ナンバーワンになること必至でしょう。口髭がチョット怪しいけれど、その辺は許しましょう。また、中国の湖畔でひと休みしている黄昏時、王課長は「二人でお酒を」(梓みちよ)を中国語で口ずさみますが、けっこう上手ですね。

Photo_25 Photo_26  ひかりの隣席にいる菅野先輩役の香川照之や、柴俊夫扮する岩田部長も良い感じです。岩田部長の「日本人がようやく稲作を始めた頃、中国人はシルクロードで国際貿易してたんだもんなぁ……」という嘆息は名台詞でしょうね。王課長の愛妻が桃井かおり(友情出演)という配役もゴージャス。中国側の喰えない商人振りも堂に入っており、わざとらしさがない。この映画は全編が、含蓄のある名台詞とPhoto_27 Photo_28 名場面のオンパレード。安っぽい色恋沙汰に流れることなく、バリバリ働く女性を描いたストーリーは見応えがあるし、字幕を使って時間経過を説明するテンポも良い。会話の途中にSEを使ったギャグが何ヶ所かあるのが、いまいちこなれてないとか、倉庫で商品の畳み直しをする場面のコマ落しがちょいとギャグになりきれていないなど、気になる点がないではないが、これが監督のデビュー作と考えれば「その意気や善し!」と応援したくなってしまいます。とにかく、凄く面白いので機会があったら、是非オススメ!です。

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「男はつらいよ」

Photo1969年・松竹(コメディ)・91分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 山田洋次
出演: 渥美清(車寅次郎) 光本幸子(坪内冬子) 倍賞千恵子(車さくら) 森川信(車竜造) 三崎千恵子(車つね) 太宰久雄(梅太郎) 笠智衆(御前様) 津坂匡章(舎弟川又登) 前田吟(諏訪博) 佐藤蛾次郎(寺男源さん)
志村喬(諏訪一郎)

 日本の国民的英雄(?)フーテンの寅さん記念すべき第一作。昭和44年に封切られ、以来年間3本(正月、お盆)のペースで公開され、日本映画の風物詩にもなった作品。しかし、年間2本から晩年は1本に減りましたねぇ。お疲れ様でした。(合掌)

 「喜劇 一発大必勝」の山田洋次と「いい湯だな 全員集合!!」の森崎東が、脚本を共同執筆し、山田洋次が監督した人情喜劇の第1作。撮影は高羽哲夫。

 【プロローグ】 江戸川土手、満開の桜のシーンから始まる。
1_2 ナレーション(車寅次郎): 「思い起こせば20年前、つまらねぇ事から親父に頭から血が出るほどぶん殴られ、そのままプイっと家をおん出て一生帰らねぇと覚悟していたものでございますが・・・。二親も秀才の兄貴も死んでしまい、たった一人妹だけが生きております事は、風の便りで知っておりました・・・。私の故郷、東京・葛飾の柴又でございます。」

1_3  河川敷のゴルフ場を歩いている寅次郎、パットした球をカップの縁で拾い上げ、ポイっと投げ返す。20年ぶりに故郷の柴又へ帰って来たその時の身なりは、見慣れているダボシャツに雪駄ではなく、背広にワイシャツ、ネクタイ、白・黒コンビの革靴、お馴染みの帽子にトランクという姿でした。
 
(写真は、寅が帝釈天の祭礼で、纏を振る勇姿。ワイシャツ・ネクタイ姿ですね!)

1_12  車寅次郎は、“フーテンの寅”と呼ばれる香具師。父親と喧嘩してとびだした中学の時以来、ヒョッコリ故郷の葛飾柴又に帰って来た。というのも唯一人の妹・さくらを残して両親が死んだと風の便りに聞いたため。叔父の家へと向った寅次郎はそこで、美しく成長したさくらに会い、大感激。妹の1_2_2 ためなら何でもしようと発奮、妹可愛さの一心で、さくらの見合の席へと出かけたものの、慣れぬ作法に大失敗。縁談をこわしてしまった。いたたまれずに、また旅にでた寅次郎は、奈良でお寺巡りをしている柴又帝釈天の御前様と娘の冬子に会い、その美しさに魅せられ、故郷にと逆戻り。そん1_6 な寅次郎を待っていたのは、印刷工場の職人・博の「さくらさんが好きです」という告白だった。博の真剣さにうたれ、何とかしてやろうとしたものの、寅次郎は、もち前の荒っぽさで、またまた失敗。が、かえってこれが、博、さくらを結びつけた。さくらの結婚の後の寂しさを、冬子の優しさに慰め1_2_3 られていた寅次郎は、ある日、「寅がお嬢さんに惚れている」という噂を耳にし、冬子に迷惑がかかることを恐れて、地方での香具師商売にと、旅立つのだった。

 (第一作のマドンナは、新派の女優「光本幸子」さんでした。以来、毎作マドンナが変わります。)

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 (奈良見物中の御前様と冬子さん。写真撮影、「ハイ!チーズ」ならぬ「バタァ~」でした!)



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 【レギュラー出演者のご紹介】

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車寅次郎(通称: フーテンの寅) 渥美清

_3_1車さくら(寅次郎の異母兄妹) 倍賞千恵子 

Photo_2車竜造(寅次郎の叔父) 森川信
車つね(寅次郎の叔母) 三崎千恵子

28たこ社長こと梅太郎(とらや裏の印刷会社社長) 太宰久雄

Photo_3 源公(寅次郎を兄と慕う寺男)佐藤蛾次郎

9 川又登(寅次郎の舎弟)津坂匡章(現・秋野大作)

_2_1諏訪博(印刷会社の工員)前田吟

Photo_4御前様(寺の住職)笠智衆 
 

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「Shall We ダンス?」

Shall_we_21996年・日本(コメディ)・136分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 周防正行
出演: 役所広司 (杉山正平)  草刈民代 (岸川舞)  竹中直人 (青木富夫)  渡辺えり子 (高橋豊子)  柄本明 (三輪徹)  徳井優 (服部藤吉)  田口浩正 (田中正浩)  草村礼子 (田村たま子)  原日出子 (杉山昌子)  仲村綾乃 (杉山千景)  松阪隆子 (服部房子)  原英美子 (服部秋子)  西野まり (高橋和歌子)  宮坂ひろし (マッチョ(倉高健)) 河内ゆり (北条まりか)  井田州彦 (金子貞二)  東城亜美枝 (本田久子)  石井トミコ (原口春子)  川村真樹 (三好栄子)  森山周一郎 (岸川良)  香川京子 (岸川恵子)  上田耕一 (熊田寅吉)  田中英和 (岡田時彦) 片岡五郎 (ブルースの丈) 石山雄大 (ジルバの浜) 大杉漣 (フロアーマネージャー・杉浦)  パラダイス山元 (ホールのダンスパンド)  東京ラテンムードデラックス (ホールのダンスパンド)  園田ルリ子 (ホールのダンスパンド)  本木雅弘 (本木弘雅)  清水美砂 (歌姫ナツコ)  田中陽子 (岸川陽子)  本田博太郎 (さよならパーティーの司会者)

Photo  「ファンシイダンス」「シコふんじゃった。」の周防正行監督が、今回は“社交ダンス”をテーマに描いた大ヒットコメディ。平凡な家庭を持ち、単調な毎日を送るサラリーマン杉山(
役所広司)は、ある日電車の中から、ビルの窓際にたたずむ美女(草刈民代)を目にする。杉山は彼女に会いたい気持ちを抑えられず、彼女の居た場所へ向かう。が、そこは杉山にはまったく縁のない社交ダンス教室だった。勇気を出して教室に足を踏み入れた杉山を待っていたのはあの美女と個性豊かな生徒たちだった……。

Photo_11  ひょんなことから始めた社交ダンスを通して、平凡なサラリーマンが人生を見つめ直す姿を描いたハートフル・コメディ。監督・原案・脚本は「シコふんじゃった。」の周防正行。撮影は「哭きの竜」の栢野直樹。音楽は、監督の従兄弟で「お墓と離婚」の周防義和が担当している。主演は「KAMIKAZE TAXI」の役所広司と、日本バレエ界を代表するプリマドンナ・草刈民代。作品完成後に、周防監督と主演の草刈が電撃結婚したことでも話題を呼んだ。文部省選定作品。96年度キネマ旬報ベストテン第1位、同読者選出ベストテン第1位のほか、主演男優賞(役所)、助演女優賞(草村)、新人女優賞(草刈)、脚本賞(周防)を獲得。他の主要映画賞でも各賞を総ナメにする圧倒的な強さをみせた。                                                      Photo_4主要ロケ地】 ダンス教室:西武鉄道池袋線の江古田駅周辺と西武101系電車。正平の自宅最寄り駅:西武鉄道池袋線狭山ヶ丘駅。正平の自宅付近にあり、ダンスを練習する公園:白井木戸公園(北総鉄道白井駅の南西)。ダンスホール:大阪市北区梅田に実際に存在していたダンスホール「ワールド」。この映画の撮影時でも日本に残っていた数少ないダンスホールの一つであったが、2001年1月31日に閉館した。ブラックプールのホール:ブラックプールタワーにあるボールルーム。ブラックプールダンスフェスティバルの会場となるウィンターガーデンのボールルームではない。ドレスコードに従い、スタッフはタキシード着用で撮影に臨んだ。

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「スウィング・ガールズ」

Photo_42004年・日本(コメディ)・105分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 矢口史靖
出演: 上野樹里 (鈴木友子・テナーサックス)  貫地谷しほり (斉藤良江・トランペット)  本仮屋ユイカ (関口香織・トロンボーン)  豊島由佳梨 (田中直美・ドラム)  平岡祐太 (中村拓雄・ピアノ)  あすか (久保千佳・アルトサックス)  中村知世 (岡村恵子・アルトサックス)  根本直枝 (大津明美・テナーサックス)  松田まどか (清水弓子・バリトンサックス)  水田芙美子 (山本由香・ベース)  関根香菜 (渡辺弘美・ギター)  辰巳奈都子 (小林陽子・トロンボーン)  中沢なつき (木下美保・トロンボーン)  前原絵理 (吉田加世・トロンボーン)  長嶋美紗 (宮崎美郷・トランペット)  あべなぎさ (下田玲子・トランペット)  金崎睦美 (石川理絵・トランペット) 竹中直人 (小澤忠彦(数学教師)) 白石美帆 (伊丹弥生(音楽教師)) 小日向文世 (鈴木泰三(友子の父)) 渡辺えり子 (鈴木早苗(友子の母)) 谷啓 (森下(音楽の先生)

_3  「ウォーターボーイズ」で男子のシンクロナイズドスイミングを取り上げた矢口史靖監督が、今度は東北の高校を舞台に、ひょんなことからビッグバンドを組んでスウィング・ジャズの演奏にハマっていく女子高生たちを描いた青春音楽ドラマ。17人の落ちこぼれ高校生たちがジャズに触れ没頭していく姿を爽やかに綴る。主演は「チルソクの夏」の上野樹里。バンドのメンバー全員が4ヵ月にわたる猛特訓の末に、劇中で演奏される楽曲すべてを吹替えなしでこなした。補習授業をサボり為の口実としてビックバンドを始めた、“やる気のない”女子高生たちだったが、次第にジャズの魅力に引き込まれ、楽器は無いが自分たちだけのバンドを結成する。

Photo_6  東北地方のとある片田舎の高校。夏休みのある日、13人の落ちこぼれ女子生徒たちは教室で数学の補習を受けていた。その時、補習組の一人、鈴木友子が高校野球予選の応援に行ったブラスバンド部の仕出し弁当が遅れて届いたことに気づき、弁当運びを口実に13人はまんまと補習を抜け出すことに成功する。だが道中、弁当は長い時間炎天下に晒されてしまい、それを口にしたブラスバンドの生徒たちは、次々と腹痛を起こして入院する事態となった。唯一難を逃れた拓雄は、次の試合までに即席のブラスバンドをつくることにするが、集まったのは補習をサボるのが目的の友子たち13人と、ちょっと変わった女子3人だけだった。そこで拓雄は、17人でも演奏可能なビッグバンドジャズをやろうと思いつくのだが…。                                                      
Photo_9  『下妻物語』では、登場人物の誰一人として、尻上がりのイントネーションが魅力の茨城弁を喋らないことだったが、同じく一面が田んぼの田舎(東北地方、撮影地は山形県)を舞台にした本作では、個性豊かな女子高生たちが東北弁を駆使。先生役の白石美帆のズーズー弁も堂に入ってかわいい。落ちこぼれ(夏休みの補習仲間)の女の子たちがひょんなことから吹奏楽部を結成することになり、さらにひょんなことからビッグバンドジャズをやることになって、猛特訓。16人の女子と男子1人からなる「スウィングガールズ」は右往左往しつつ結束を固めていき、晴れ舞台を踏む──タイトルどおり、矢口史靖監督の長編前作『ウォーターボーイズ』の、女の子ビッグバンド・バージョン。

Photo_8  コーチ役も前作同様、竹中直人だ。 大ヒットした前作では、笑うべき場面であることはわかるけれど笑えない不発のシーンが散見したが、今回は気がついたら笑ってる回数が飛躍的に増加。あえて言えば、『ウォーターボーイズ』で見られた、特訓とその成果であるお披露目部分の今ひとつ盛り上がりに欠ける感は、本作にも引き継がれている。楽器を触り始めのたどたどしい演奏のうちは、『ウェルカム・ドールハウス』の名場面、「サティスファクション」のへっぽこ演奏に匹敵する笑いを誘発するが、いつの間にか上達して滑らかな音運びになるのだ。といって、17人全員が猛特訓して吹き替えなしで演奏したラストが飛び上がるほどうまいわけでもない。結果、自分でもジャズをやりたくなるほどまでには胸高鳴らないのだが、それでも、仲間たちと一つのことに打ち込む青春の楽しさは十分に伝わり、「途中で投げ出さないでやり遂げること」などのストレートな訓話もすんなり受け止められる爽やかな青春映画。

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「転校生」

Photo_2 1971年・松竹(コメディ)・112分 new
お薦め度: ★★★★★ happy01
監督: 大林宣彦  原作: 山中恒
出演: 小林聡美(斉藤一美)尾美としのり(斉藤一夫)佐藤允(一夫の父・明夫)樹木希林(一夫の母・直子)宍戸錠(一美の父・孝造)入江若葉(一美の母・千恵)
志穂美悦子(大野光子)林優枝(吉野アケミ)早乙女朋子(女子学生)柿崎澄子(川原敬子)鶴田忍(団体客の幹事)人見きよし(旅館の番頭)

 本日は、「転校生」のオリジナル版をご紹介いたします。昨年、リメイク版が公開されました。オリジナルの広島・尾道から、長野へと変わりましたし、二人が入れ替わってしまう場所も、お寺の境内から「さびしらの水場」へとリメイクされていました。

Tenkousei1   原作は山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』(旺文社刊)。主人公たちは小学生でしたが、映画では中学生の男女の体が入れ替わる、という設定に変わっていました。“男の子と女の子の体が入れ替わってしまった"思春期の中学生の男女を描いた青春映画。脚本は「ゴキブリ刑事」の剣持亘、監督は「ねらわれた学園(1981)」の大林宣彦、撮影は「霧のマンハッタン」の阪本善尚がそれぞれ担当。

 舞台は、広島県・尾道市。斉藤一夫(尾美としのり)は8ミリ映画好きの中学三年生で、悪友たちと女子更衣室をのぞいたり悪ガキぶりを発揮するごく普通の少年である。そんな彼のクラスにある日、斉藤一美(小林聡美)という、ちょっとキュートな少女が転校して来た。一美が大野先生(志穂美悦子)に紹介された途端、一夫を見て叫んだ「もしかしてあなた一緒に幼稚園に行っていたデベソの一夫ちゃんじゃない?」二人は幼馴染みだったのだ。久しぶりに一夫と再会した一美は大喜びだが、子供の頃の自分の恥部を知られている一夫にとっては大迷惑。その日の帰り道、神社の階段の上で、一夫はつきまとう一美めがけてコーラの空缶を蹴飛ばした。驚いた一美は階段から落ちそうになり、一夫は押さえようと抱きつくが、二人はそのままころげ落ちた・・・。

Tenkousei_5  しばらくたって二人は意識をとり戻し、それぞれの家に帰るのだが、二人の体が入れ替っていることに気がつき、愕然とする。男の子の体になってしまった一美は泣き出すが、とりあえず、お互いの家族、友人の中で生活することにした。突然、男っぽくなった一美や、逆に女っぽくなった一夫にそれぞれの家族は戸惑うが、まさか入れ替っているなどとは考えてもみない。学校でも一夫が突然勉強ができるようになって周囲が驚くのだが、悪友たちがオカマっぽくなった一夫をからかうと、一美が怒って連中をのしてしまうのだ。そんなある日、一美はボーイフレンドの弘と会うことになった。一夫は一美を演じているうちに弘をからかったため、一美を怒らせてしまう。

Tenkousei_2_2  やがて、一夫が父の転勤で横浜に引っ越すことになった。いつまでたっても元に戻らぬ二人は、絶望的になっていき、特に一美は自殺を考えるまで追い込まれてしまう。が、一方で、互いの体に嫌悪感さえ覚えながらも、徐々に異性としての愛情が芽生えていく。一夫の引っ越しが間近に迫ったある日、あの神社の階段の上で、二人はふとしたハズミで再び転げ落ちてしまった・・・。気がついてみると、二人は元の一夫と一美に戻っていた。「オレ一美が大好きだ」「この世の中で誰よりも一夫君が好き」泣きながら抱き合う二人。数日後。引っ越し荷物を積んだコンテナ・トラックに一夫と両親が乗り、一美が見送りに来ている。動き出したトラックの助手席から、追って来る一美を8ミリカメラで撮る一夫。「サヨナラ、オレ」「サヨナラ、あたし!・・・」。

Photo_3Photo_4  新・旧「転校生」  




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 名場面:(最下段)「さよなら、私。さよなら、俺」

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「Allways -続・三丁目の夕日-」

Allways2007年・日本(コメディ)・145分
お薦め度: ★★★★★
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監督: 山崎貴  原作: 西岸良平
出演: 吉岡秀隆 堤真一 
薬師丸ひろ子 小雪 堀北真希 小清水一揮 須賀健太 もたいまさこ 三浦友和 小日向文世 平田満 上川隆也 渡辺いっけい  

 昭和34年春。東京オリンピックの開催が決定し、日本は高度経済成長時代に足を踏み入れようとしていた。取引先も増え、軌道に乗ってきた鈴木オートに家族が増えた。事業に失敗した親戚の大作(平田満)の娘、美加を預かることにしたのだ。しかし、お嬢様育ちの美加(小池彩蓼)と一平(小清水一揮)は喧嘩ばかり。一方、一度淳之介(須賀健太)を諦めた川渕(小日向文世)だが、再び茶川(吉岡秀隆)の所にやってくるようになっていた。淳之介を渡したくない茶川は、再び芥川賞に挑戦しようと決意する…。

 多くのファンからの要望に応え、『ALWAYS -三丁目の夕日-』が再びスクリーンに。前作で淳之介を取り戻した茶川が芥川賞に挑戦していく。今回もまた当時の東京の風景をVFXを用いて、目を疑うようなリアルさで再現している。完成したばかりの東京タワー、日本橋などの街並みに加え、東京駅、羽田空港、開通直後の新幹線こだま号など、その時代を知る人にとっては懐かしい映像が続きます。また、この映画の魂でもある三丁目の人々の温かさも健在。古き良き「昭和」の世界を再び味わって欲しいです。出演は、堤真一、薬師丸ひろ子、吉岡秀隆、堀北真希、須賀健太、小清水一揮ら、お馴染みの顔ぶれに加え、上川隆也、渡辺いっけい他。監督は前作と同様の山崎貴。

 前作は東京タワーができるまでの夕日町に住む人々の姿が綴られていましたが、今回は東京タワーも完成した昭和34年春からの物語。東京オリンビック開催が決定し、高度成長期へ突入した日本を背景にした人情劇が展開します。

Allways__8_2  メインとなるのは今回も駄菓子屋を営む茶川竜之介と、鈴木オートを営む鈴木家の物語。去ったヒロミ(小雪)のことを思い続けながら、彼女が連れてきた淳之介と暮らす茶川。だがまた実父が淳之介を連れ帰りたいと言ってきたため、安定ある生活を求めて再び彼は芥川賞を目指して小説を執筆。実際に候補者へとなってい く。

Allways__3_2  しかし、芥川賞獲得のためにはそれなりの金が必要、と選考委員を名乗る胡散臭い男に騙されてしまい、人の良い鈴木オートの人たち、居合わせていた精肉屋の丸山(マギー)と自転車屋の吉田(温水洋一)は、なけなしの身銭を切ってその男に渡してしまう。

Allways__9_2  一方、ヒロミはストリッパーとして働いていたが、いつまで経っても茶川は優柔不断な態度を続けていたところへ、客の常連(渡辺いっけい)の「大阪で暮らさないか?」という話に賭けてみる決心をするのだった。踊り子仲間の梅子(手塚理美)が、「こんな稼業の女がウロウロしてちゃ作家先生も迷惑なんだよ・・・」と、ヒロミに呟く。大阪へ発つその日、駅でヒロミを待ち受けていた梅子は、茶川の作品が掲載された本をヒロミに手渡す・・・。

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「天然コケッコー」

Photo2007年・Asmic Ace(ドラマ)・121分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 山下敦弘  原作: くらもちふさこ
出演: 夏帆  岡田将生  夏川結衣  佐藤浩市  柳英里沙  藤村聖子

 くらもちふさこの同名コミックを「リアリズムの宿」、「リンダ リンダ リンダ」の山下敦弘監督、夏帆主演で映画化した爽やか思春期ドラマ。田舎の美しい里山の風景をバックに、方言丸出しの少女がのんびりした日常の中で淡い初恋に心ときめかせ、ゆっくり成長していく姿をほのぼのとしたタッチで綴る。山と田んぼが広がる木村町。中学2年の右田そよ(夏帆)は、小・中学生合わせても全校生徒たった6人という小さな分校に通っていた。そんなある日、東京から一人の男子生徒が転校してくる。彼の名は大沢広海(岡田将生)。そよにとっては初めての同級生。都会の匂いがプンプン薫る、かっこいい男の子の登場に心波立つそよだったが・・・。

Wallpaper1_1280_5 ロケ地は、島根県浜田市周辺。山と田んぼ以外には、なぁ~んにも無い!田舎町。方言丸出し、ほとんど飾りっ気なし、同級生なし、の6人の子供たちが、のびのび育っていく過程を、「これでもかぁ!」というくらい見せてくれます。

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 正直いって、期待していなかた作品でしたが、私の評価は★★★★★でした。何か得した気分いっぱいです!

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「赤ひげ」(オリジナル版)

_21965(昭和40)年・東宝(ヒューマン・ドラマ)・185分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 黒澤 明
原作: 山本周五郎「赤ひげ診療譚」

出演: 三船敏郎 (新出去定(赤ひげ)) 加山雄三 (保本 登) 山崎 努 (佐八(車大工)) 団 令子 (お杉(女中)) 桑野みゆき (佐八の女房おなか) 香川京子 (狂女)  藤山陽子 (ちぐさ(まさえの姉)) 内藤洋子 (まさえ) 杉村春子 (娼家の女主人) 田中絹代 (登の母) 二木てるみ (おとよ) 根岸明美 (おくに(六助の娘)) 頭師佳孝 (長次) 土屋嘉男 (森半太夫) 菅井きん (長次の母) 風見章子 (まさえの母) 藤原釜足 (おくにの父六助 (蒔絵師)) 江原達怡 (津川玄三)  東野英治郎 (五平次(大家)) 志村喬    (和泉屋徳兵衛)  笠 智衆   (登の父)  荒木道子 (
娼家の女主人)  柳永二郎 (利兵衛(狂女の父))  三井弘次 (佐八の友人平吉)  西村晃 (家老)  千葉信男 (松平壱岐)   三津田健 (まさえの父天野源伯)  七尾伶子 (おとく)  辻伊万里 (おかち)  野村昭子 (おふく)  三戸部スエ (おたけ)  左卜全 (入所患者)  渡辺篤 (入所患者)  小川安三 (小者竹造)  佐田  豊 (むじな長屋の住人)  沢村いき雄 (むじな長屋の住人) 本間文子 (むじな長屋の住人)  出雲八重子 (むじな長屋の住人)  中村美代子 (五平次妻おこと)  青木千里 (娼婦)  栗栖京子 (娼婦)  柳下悠紀子 (娼婦)  深井聡子 (娼婦) 大久保正信 (長次の父)  大木正司 (地廻り)  広瀬正一 (地廻り)  山口博義 (地廻り)  常田富士男 (地廻り)  古諸  州 (地廻り)

 今回は、大作!と言われる「赤ひげ」をご紹介いたします。黒澤作品といえば、「七人の侍」、「生きる」、「どん底」など、数え上げればキリがないほどありますね。それぞれ良い作品ですが、敢えて「赤ひげ」を選んでみました。

 山本周五郎原作の『赤ひげ診療譚』を基に、巨匠・黒澤明監督が三船敏郎、加山雄三主演で映画化したヒューマニズム溢れる人情ドラマ。江戸時代の小石川養生所を舞台に、そこを訪れる庶民の人生模様と通称「赤ひげ」と呼ばれる所長と青年医師保本の心の交流を描く。長崎で和蘭陀医学を学んだ青年・保本登(加山雄三)は、医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになる。養生所の貧乏くささとひげを生やし無骨な所長・赤ひげ(三船敏郎)に好感を持てない保本は養生所の禁を犯して破門されることさえ望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさを知り、また彼を頼る貧乏な人々の姿に次第に心を動かされていくのだった……。

 小石川養生所前に佇む男、長崎帰りでオランダ医術を習得した青年医師保本登の姿があった。将来は御殿医を約束されていた筈の彼は、父の命で小石川養生所に出向いたのだが、
新出去定から長崎で学んだ「筆記と図録を提出せよ」と言われる。「学んだ医術は自分のもの」と頑なに反発するが保本だった・・・。

 養生所では、私服ではなくユニフォームが決められている。清潔だし、一目で医者だと分かる!貧乏な町人で一般の医者には声もかけられないが、養生所の医者ならば金が無くても診てもらえるのだ・・・。ことごとく反発する保本は、ここでも決められた服は着ず、禁酒であるはずの部屋で飲むのであった。

 そんな保本も、娼家の女中おとよ(二木てるみ)の治療を兼ねて面倒をみることになるが、懐かず反抗ばかりするおとよの心を解す努力をする。「貧困と無知」を憎む「赤ひげ」先生のことを次第に理解出来てきたのも、自分の卑しさ・醜さを理解出来たからであり、おとよを通して自分を見つけ出したのである。心の機微という点で、素晴らしい描写なのではないでしょうか?

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「キサラギ」

Photo_52006年・東映(コメディ)・108分
お奨め度: ★★★★
監督: 佐藤祐市
原作: 
古沢良太
出演: 
小栗旬 ユースケ・サンタマリア 小出恵介 塚地武雅 香川照之 末永優衣

 今回は、「まろこ」さんからご推薦頂きました「キサラギ」という邦画のご紹介です。

 
ワン・シチュエーションでありながらスリリングに展開していく巧みな脚本を、個性派キャスト5人のアンサンブル で映画化した異色のハートフル・サスペンス。脚本を手掛けたのは「ALWAYS 三丁目の夕日」の古沢良太。監督は「シムソンズ」(女の子たちのカーリングのお話)の佐藤祐市。マイナーな グラビアアイドル、如月ミキが焼身自殺を遂げてから1年が過ぎた。彼女のファンサイトでは一周忌のオフ会を開催することに。集まったのは、サイト管理人の 家元(小栗旬)とサイトの常連、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)という5人の男たち。最初はミキの思い出話に花を咲かせる彼らだったが…。

 小栗旬(時代劇「あずみ」)、小出恵介(青春ドラマ「パッチギ!」)、塚地武雅(ドランク・ドラゴン、コメディ「間宮兄弟」)、ユースケ・サンタマリア(「交渉人 真下正義」)、香川照之(戦争映画「出口のない海」)に出演していた、若手、お笑い、中堅俳優が出ています。

 個人的には、香川照之さんが好きですね。2000年・中国制作「鬼が来た!」という映画がありますので、あまり話題にはなりませんでしたが、ブログでも紹介して行きます。

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「ミンボーの女」

Photo_91992年・東映(ドラマ)・123分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 伊丹十三
出演: 
宮本信子 (弁護士井上まひる) 宝田明 (ホテル総支配人) 大地康雄 (鈴木勇気) 村田雄浩 (若杉太郎) 大滝秀治 (プールの老人、実はホテルのオーナー) 三谷昇 (フロント課長) 結城美栄子 (総支配人夫人) 関弘子 (総支配人秘書) 鶴田忍 (経理部長) 三宅裕司 (百万ドルの笑顔のフロントマン) 里木佐甫良 (ホテルマン) 米山善吉 (ホテルマン) 武野功雄 (ホテルマン) エド山口 (ホテルマン) 北原弘一 (ホテルマン) 久保晶 (ホテルマン) 片岡五郎 (ホテルマン) 三川雄三 (ホテルマン) 桜井勝 (ホテルマン) 米倉真樹 (ホテルマン) 松井範雄 (ホテルマン) 江連健司 (ホテルマン) 吉満涼太 (ホテルマン) 井上康 (ホテルマン) 岩崎浩明 (ホテルマン) 松野芳子 (ホテルマン) 中村敦子 (ホテルマン) 櫃割みゆき (ホテルマン) 櫻井淳子 (総支配人の娘) 庄司永健 (役員) 久遠利三 (役員) 伊東四朗 (やくざ組長、入内島) 中尾彬 (やくざ幹部、伊場木) 小松方正 (花岡) 我王銀次 (若頭) 柳葉敏郎 (鉄砲玉) 田中明夫 (大親分) 関山耕司 (大親分) ガッツ石松 (プールのヤクザ) 流山児祥 (ロビーの組長) 不破万作 (伊場木の子分) 上田耕一 (入内島の子分) 睦五郎 (花岡の子分) 加藤善博 (指をつめられる男) 朝岡実嶺 (アケミ) 南麻衣子 (伊場木の情婦) 小木茂光 (入内島の子分) 有薗芳記 (入内島の子分) 木村栄 (プールのヤクザ) 杉崎浩一 (プールのヤクザ) 六平直政 (ロビーのヤクザ) 深沢猛 (ロビーのヤクザ) 渡辺哲 (明智刑事) 矢崎滋 (裁判長) 矢野宣 (力石執行官) 河西健司 (警察課長) 鈴木正幸 (警官) 小宮健吾 (警官) 白川俊輔 (刑事) 竹本和正 (刑事) 藤浪晴康 (刑事) 伊藤哲哉 (裁判所書記) 津川雅彦 (外務省高官) 柳生博 (総支配人のゴルフの連れ) 佐古雅誉 (保健所長) きたろう (おどかされる男) 秋間登 (外科医) 木下秀雄 (ゴルフ場支配人) 矢吹圭司 (ゴルフの連れ) 小川美那子 (社長秘書) 沢村裕史 (レポーター)

 日本アカデミー賞(1992年  作品賞) 主演女優賞
宮本信子  助演男優賞 大地康雄  監督賞 伊丹十三  脚本賞 伊丹十三  音楽賞 本多俊之

 ホテルの総支配人(宝田明)はヤクザ排除を決心し、ミンボー専門の女弁護士・井上まひる(宮本信子)を雇いヤクザとの全面対決に挑む……。ホテルマン鈴木勇気(大地康雄) と若杉太郎(村田雄浩)は、上司の命令で「ホテルのヤクザ担当係り」を拝命するが、二人とも実は根性無し! 「なんで、俺たちがヤクザ担当なんだよ!」と、ぼやく・・・。

 早速お呼びが掛かり、怖いお兄さんたちに、散々脅かされ、ヤクザの常套句「誠意を見せてくれ!」、「俺たちはタカリじゃないんだよ!」。しかも、そういった業界の人が何人も脅すんだから、根性無しの鈴木くんは、おしっこに血が混じってしまい、完全にグロッキー状態。

 そこに、正義の味方「弁護士井上まひる(宮本信子)」が登場! 「君たちが、弱気を見せるから、相手は付け上がるんだヨ!」と叱咤し、暴力団に対するノウ・ハウを伝授するのです。観ていて、小気味良いですよ!                                                                                                                                                            この映画が元で、監督の伊丹十三はヤクザに襲われ、重傷を負った。当時、新聞紙面を賑わせた事件でした。ずいぶん前に、伊丹監督は俳優さんでしたが、その当時の映画は下手でしたねぇ!

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「兵隊やくざ/殴りこみ」

Photo_71967年・大映(戦争・コメディ)・89分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 田中徳三
主演: 勝新太郎  田村高廣  野川由美子  細川俊之

 「座頭市」と並ぶ勝新太郎の大ヒットシリーズ「兵隊やくざ」の第7弾。

 香月少尉(細川俊之)の正義感あふれる姿に好感を持った大宮は、彼の遺言を聞き軍旗を奪回するために敵地に乗り込み大活躍する。インテリ少尉役の細川俊之が見せる壮絶な死に様が見所。

Photo_2  野川由美子さんて、素敵な女優さんなんですよ! 市川雷蔵主演「ある殺し屋」という映画でしたたかな女性を演じます。これがまた良いんだなぁ!

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「兵隊やくざ/大脱走」

Photo_51966年・大映(戦争・コメディ)・86分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 田中徳三
出演: 勝新太郎  田村高廣  安田道代  成田三樹夫

 「座頭市」と並ぶ勝新太郎の大ヒットシリーズ「兵隊やくざ」の第5弾。

 終戦直後の北満州で、大宮と有田は将校に化けて避難民と共にソ連軍や共産ゲリラから逃げ延びる。だが、潜り込んだ103部隊にはふたりの正体を知る宿敵・憲兵伍長青柳(成田三樹夫)がいた。

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「新・兵隊やくざ」

Photo_31966年・大映(戦争・コメディ)・86分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 田中徳三
出演: 勝新太郎  田村高廣 
瑳峨三智子  成田三樹夫  藤岡琢也   玉川良一

 「座頭市」と並ぶ勝新太郎の大ヒットシリーズ「兵隊やくざ」の第3弾。脱走を繰り返し天津に辿り着いた大宮と有田は女たちを集めて女郎屋を開く。大宮が惚れる人気娼妓役を嵯峨美智子が好演する他、成田三樹夫、玉川良一など、個性派俳優が出演。

 また、脱走した二人組み。今回は、図々しくも軍隊への慰問団に化けて師団に潜入。軍の食料庫から物資を掠め取る! その上前をハネる強者が憲兵隊の成田三樹夫が、良い味を出しているんですよね!

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「兵隊やくざ」

  • Photo1965年・大映(戦争・コメディ)・103分
    お薦め度: ★★★★★ 
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    監督: 増村保造  原作:有馬頼義
    出演: 勝新太郎 (大宮貴三郎) 田村高廣 (有田上等兵) 北城寿太郎 (黒金伍長) 滝瑛子 (娼妓みどり) 淡路恵子 (娼妓音丸) 早川雄三 (石上軍曹) 仲村隆 (阿部軍曹)
  •  「座頭市」と並ぶ勝新太郎の大ヒットシリーズ「兵隊やくざ」の第1弾。兵役前、浅草でやくざだった暴れん坊の新兵・大宮とインテリの上等兵・有田が出会い、奇妙な友情が芽生え正義と生き様を貫いていく姿を描く痛快戦争ドラマ。                                                                   戦争ドラマと言うより、何でもアリの痛快・娯楽映画!です。時代設定が第二次大戦中の旧日本陸軍の兵隊ですが、上官なんて「関係ねぇ!」というとんでもない破天荒ぶり! 本来なら、重営倉→軍法会議→銃殺もんですよ。大宮二等兵は、有田上等兵の世話係りになり、次第に戦友というより義兄弟のような関係になる。大宮は軍隊ではご法度の「脱走」を計画し、ついに有田を誘って脱走を実行する。まんまと成功したのだが、二人を乗せた雪の中国大陸を疾走する機関車は、中国共産軍ゲリラの襲撃を受け転覆してしまう・・・。 「続・兵隊やくざ」につづく!

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「しゃべれども、しゃべれども」

Photo_15 2007年・東宝(コメディ)・109分 new
お薦め度: ★★★★☆ happy01
監督: 平山秀幸  原作:  佐藤多佳子
出演: 国分太一  香里奈  松重豊  八千草薫  伊東四朗  森永悠希

 『一瞬の風になれ』で2007年本屋大賞に選ばれた佐藤多佳子の同名小説を国分太一主演で映画化した純情青春ドラマ。

Photo_16  東京の下町を舞台に、古典を愛する落語家の青年と、彼が始めた話し方教室に通うワケありの3人が織りなす心温まる人間模様を綴る。監督は「愛を乞うひと」の平山秀幸。いつまでも真打になれずに行き詰まりを感じていた今昔亭三つ葉(国分太一)は、ひょんなことから話し方教室を始めるハメに。やって来たのは、無愛想で口下手な美女・十河五月(香里奈)、しゃべりが達者すぎる関西弁の少年・村林優(森永悠希)、コワ面であがり症のプロ野球解説者・湯河原太一(重松豊)。最初は集まるたびに言い争いばかりの彼らだったが…。

Photo_13  TOKIOのメンバーは、素が三枚目なんですね! 落語を題材にしたドラマは確か二作目です。肝心の落語の方は、所詮「素人の付け焼き刃」、これだけしゃべれれば、OK!ですね。 国分太一というアイドルが主演しているが、ステレオタイプの主人公の青春ストーリーとは一味違う。平山秀幸の演出は、夢を追いかける裏側にある苦しみと喜びを、地に足のついた視点で丁寧に描いている。落語という、若者文化の中心から外れた伝統芸能と、それを取り巻く下町の風景。これが、誇張されず、かつ、いい風景を切り取って_4 いるのが嬉しい。国分太一の落語も、撮影が進むごとに上達していったのがよく分かる。これを観て、落語の艶っぽい魅力に触れるファンも多いのでは? ベテラン、伊東四朗の落語もさすがだが、子役の森永悠希のこまっしゃくれた噺家っぷりは見事。将来が楽しみだ。監督は、『愛を乞うひと』で絶賛された平山秀幸。

_7  東京・下町。うだつの上がらない二つ目の落語家、今昔亭三つ葉は、ひょんなことから落語教室を開くことになる。生徒は、美人だが無愛想で口の悪い五月、口は達者だが関西弁のためクラスになじめない少年・村林、そして、元野球選手の湯河原。3人は言い争ってばかりだったが、少しずつ上達していく。ある時、村林はいじめっ子と野球対決をして負けてしまう。悔しがる村林に、いじめっ子を落語で笑わせてやれ、と三つ葉は提案する。

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「寝ずの番」

Photo2006年・邦画(コメディ)・110分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: マキノ雅彦   原作:  中島らも
出演: 中井貴一  木村佳乃  堺正章 
笹野高史  岸部一徳  長門裕之  富司純子  木下ほうか  田中章

 俳優・津川雅彦が、“マキノ雅彦”名義で監督デビューを果たした痛快艶笑喜劇。中島らもの同名短編を基に、大物落語家の通夜の席で繰り広げられる人間模様をユーモアとペーソスを交え綴る。上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴がいよいよ臨終のときを迎えようとしていた。ところがそこで弟子たちはいかにも咄家らしい粗忽ぶりを発揮し、思いもよらぬひと騒動が巻き起こる――。ともあれ、こうして橋鶴師匠は亡くなり、お通夜の席には弟子はもとより、故人をしのんでゆかりの人々が続々訪れる。いつしか思い出話に花が咲くのだったが…。

 映画一家「マキノ」総出演! 監督マキノ雅彦の実兄「長門裕之」が落語家の師匠役、「愛娘」は楽屋の手伝いに来て、弟子の落語家と結婚する娘役。

 脇役には、落語家の弟子「
笹野高史」、師匠の息子役「岸辺一徳」、通夜の客「堺 正章」らの芸達者。主役の中井貴一は喰われっ放し!役不足の感は否めないかな?

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ウォーターボーイズ

Photo_62001年・東宝(コメディ)・91分
お薦め度: ★★★★★ 
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監督: 矢口史靖
出演: 妻夫木聡  平山綾  玉木宏  金子貴俊  近藤公園  三浦哲郁  眞鍋かをり  竹中直人  杉本哲太  谷啓  柄本明  影山智昭 川村貴志 松永大司 西川祐也 山﨑勝之 杉浦太陽 田中幸太朗 石原誠 斉藤直士 北村栄基 山本力 森本正輝 金原泰成 星野広樹 鈴木祐二 斎藤羅慈 高鷹一雅 西野正崇 平田賢 山本一輝 貴士 前田紘孝 石井洋輔 森山栄治

 "埼玉県立川越高校の水泳部が文化祭限定で披露する男版シンクロパフォーマンスをベースに、『アドレナリンドライブ』の矢口史靖監督がコミカルかつ爽やかに映画化。妻夫木聡、眞鍋かをり、平山綾らが出演した青春ドラマ。

 廃部寸前の唯野男子高校水泳部。部員は、根性無しの3年・鈴木ただひとり。ところが、そんな水泳部の顧問に美人新任教師の佐久間先生が就任したことから、たちまち部員が28人に膨れ上がった??が、佐久間先生の目的は男子のシンクロナイズドスイミング部を作ることだったのだ! 結局、残ったのは鈴木と、いい加減な性格の元バスケ部の佐藤、ガリガリのダンス少年・太田、秀才だがカナヅチの金沢、なよっちい早乙女の5人。しかも、佐久間先生が勝手に文化祭に参加することを申請してしまった為に、彼らは後に引けなくなってしまう。

 どこにでもいるヘナチョコ男子高校生鈴木(妻夫木聡)たち。高3最後の文化祭だというのに、トンチンカンな新任女教師佐久間(眞鍋かおり)の鶴の一声でやる羽目になったのは、事もあろうに「シンクロナイズド・スイミング」だった! 誰もが味わう高校時代という馬鹿馬鹿しくも純粋な青春の日々を、男のシンクロという未知数のモチーフで見事に描ききった。

 女性シンクロとは似ても似つかない圧巻のシンクロ・パフォーマンスは、題材の奇抜さをも突き抜け、その晴れやかな感動で世代・性別を超えて観客を惹きつけた。上映中に観客による挿入歌の合唱が始まったり、幾度も映画館に足を運ぶリピーターが続出するなど、新しい日本映画の楽しみ方としても旋風を巻き起こし、公開後12週に及ぶ上映の他、各地での観客動員記録を更新した。

(写真:左上から、影山智昭(私の息子です)、妻夫木聡、玉木宏、金子貴俊、三浦哲郁、近藤公園)
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