「会社物語 / Memorie's of You」

1988(昭和63)年・松竹(ドラマ)・99分
お薦め度: ★★★★★ ![]()
監督: 市川準
出演: ハナ肇(課長、花岡始) 谷啓(課長、谷山啓) 植木等(東京商事警備員、上木原等) 犬塚弘(課長、犬山弘) 安田伸(課長、安井伸) 桜井センリ(課長、桜田千里) 石橋エータロー(脱サラ、ミュージシャン、石橋二郎) 西山由美(OL、由美) 木野花(OL、木村台子) あめくみちこ(OL) 小川菜摘(OL) 伊東四朗(小林常務) イッセー尾形(ベンチに座っている不思議なセールスマン) 四禮正明(早川一夫) すまけい(野口部長) 鈴木理江子(花岡玉枝) 馬渕晴子(由里の母) ジャイアント馬場(リンリンのタレント) 村松友視(バーの男、村松友視) 余貴美子ほか。
今回ご紹介する作品は、昭和の終わりに制作された「会社物語 / Memorie's of You」。クレイジーキャッツのメンバー全員が揃った最後の作品です。この後、一人、二人とお亡くなりになりました。ジャイアント馬場もチョイ役(台詞なし)で出演しています。
「ハナ肇とクレイジーキャッツ」というと、ドタバタ喜劇を連想してしまいますが、この作品はちょっと違います。定年を間近に控えた、初老の男達の“夢とロマンと儚さ”を散りばめた逸作に仕上がっています。共演も、伊東四朗、すまけい、イッセー尾形、木野花、あめくみちこらの芸達者が華を添えております……。
【解説】 定年を間近に控えたサラリーマンが、若い頃に情熱を傾けたジャズのコンサートを最後に開こうとする姿を描く。脚本・監督は「BU・SU」の市川準、共同脚本は鈴木聡、撮影は小野進がそれぞれ担当。この映画でハナ肇はブルーリボン賞主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞のノミネートを受けた。また、
ハナ肇とクレージーキャッツのメンバー7人が全員出演した最後の作品である。バンド仲間と有楽町のガード下の居酒屋で飲んだ後、千鳥足で帰路につく途中「今の日本は俺たちが作ったんだぞー」と叫ぶ植木等の姿が、現実社会の定年間際のサラリーマンと、芸能界でのクレージーキャッツの功績を重ね合わせているかのよう。
【ものがたり】 花岡始(ハナ肇)は57歳。東京の商事会社で34年間真面目にコツコツと働き続けた万年課長だが、間もなく定年を迎えようとしていた。いまや仕事もさほど忙しくなく、若い部下達もあまり相手にしてくれない。家に帰れば家族間のトラブルが、ストレスの種。そんな花岡にとって唯一の心の安らぎは、愛らしく気立てのよい新入社員の職場の華、由美(西山由美)だけだった。彼女には若いエリートの恋人がいたが、プレイボーイの彼氏は常務の娘とも交際していた。
わざわざ花岡のために由美は、たった二人だけの送別会を開いてくれたのだが、部長たちの麻雀に誘われ、断れきれずに時が過ぎて行き、気が気ではない。やっとの事で由美に指定された喫茶店に到着。若者達が踊るディスコへ行き、楽しい時間はあっという間に終わり、由美のアパート近くまでタクシーで送って行くが、お土産に買った花を忘れたため、花岡は届けに戻ったところ、偶然にも由美と彼氏とのツーショットを目撃してしまい、ショックを受けてしまった。

退職が近づいたある日、同僚(桜井センリ)がジャズ・バンド結成の話を持ってきた。若い頃に情熱を傾けたジャズ、有志を集めてコンサートをやろうというのだ。犬山(犬塚弘)、安井(安田伸)、桜田(桜井センリ)、谷山(谷啓)、上木原(植木等)とメンバーも揃い、会社の帰りにはメンバーとガード下の居酒屋やスナックなどで楽しくジャズの話題に 花を咲かせていく。花岡は練習に精を出して再び生活に張り合いを取り戻した。
そして12月25日にコンサートが始まったが、その時、花岡の家庭では息子がバットを振り回して暴れていたのだった。家からの電話で、花岡は演奏の途中で急遽家庭に戻り、息子を止めようとしてケガをしてしまう。しかし花岡は再び会社に戻って、コンサートを成功させる。演奏が終わり、汗みどろの花岡は満足感のなかで、「ありがとう……、みんなありがとう……」とつぶやくのだった。
退職の当日に花岡は、娘のように親しみを感じていた部下の由美を二股にかけて振り、出世のために常務の娘と結婚することになった生意気な若いエリートサラリーマンを横断歩道でぶっ飛ばし、新しい人生へと出発するのだった。
【花の女子社員達】
現在は、「ダウンタウン」の浜田氏の奥さんになった小川菜摘も……。
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