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2009年1月

「イン・ザ・ネイビー(潜望鏡を下げろ!)/ DOWN PERISCOPE」

1995new 1996年・アメリカ(FOX/コメディ)・92分

お薦め度: ★★★★★   happy01

監督: デヴィッド・S・ウォード  原案: ヒュー・ウィルソン

出演: ケルシー・グラマー  ローレン・ホリー  ロブ・シュナイダー  ハリー・ディーン・スタントン  ブルース・ダーン  ウィリアム・H・メイシー  ケン・ハドソン・キャンベル  リップ・トーン

 今回ご紹介する「イン・ザ・ネイビー」(邦題は「潜望鏡を下げろ!」)です。1959年公開の「潜望鏡を上げろ」のリメイク(?)というか、パロディと言いましょうか、はたまた“パクリ”(え゛!?)なのでしょうか? 物語は、まったく違うんですけど……(笑)。

_2  老朽潜水艦に配備された米海軍のはみ出し者たちの珍妙な活躍を描いたアクション・コメディ。落ちこぼれたちが巻き起こす珍無類の作戦が、笑いと感動(?)を呼ぶ。監督は「メジャーリーグ1、2」のデイヴィッド・S・ウォード。「ポリスアカデミー」「不機嫌な赤いバラ」のヒュー・ウィルソンの原案を、ヒュー・ウィルソン、アンドリュー・カーツマン、エリオット・ワードが脚色。製作は「ダイ・ハード3」「クルーレス」のロバート・ローレンス、エグゼクティヴ・プロデューサーはジャック・カミンズ。撮影はヴィクター・ハマー、音楽は「あなたが寝てる間に……」のランディ・エデルマン、美術はマイケル・コレンブリス、編集はウィリアム・アンダーソンとアーメン・ミナシアン、衣裳はルーク・レイチェル。主演はTV・舞台で活躍するケルシー・グラマーで、彼の主演第1作。共演は「ジム・キャリーはMr.ダマー」「サブリナ」のローレン・ホリー、「メイフィールドの怪人たち」のブルース・ダーン、「ビバリー・ヒルビリーズ じゃじゃ馬億万長者」「ビッグ・ダディ」のロブ・シュナイダー、「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間」のハリー・ディーン・スタントン、「キルトに綴る愛」のリップ・トーンほか。

 【あらすじ】 海軍のトーマス少佐は、ディーゼル式オンボロ潜水艦スティングレイ号の艦長に選任された。その作戦目的とは、敵に侵略された時の実戦演習として米海軍の追跡をかわして軍港に潜入し、標的となる二隻の囮軍艦を沈めるというものだった。彼は一風変わった乗組員たちと共に出港するが、軍部には彼を毛嫌いする上官がいて、あらゆる妨害工作を仕掛けてくるのだ。

Photo_4  【ものがたり】 米海軍のウィンスロー提督(リップ・トーン)は、米東部の海岸線が敵国に侵略された場合を想定して、海軍はいかに戦うべきかという秘密作戦の訓練を命じる。作戦実行に当たり、40年前に作られた骨董品同然の潜水艦を使用、艦長にはトーマス・ドッジ少佐(ケルシー・グラマー)が選ばれた。ドッジ艦長は有能な男だが型破りな男で、過去のトラブルの為、出世コースを外されていた。それというのも若かりし頃、演習中にロシア原潜とニアミスをした事故の責任と重圧から自暴自棄となり、したたかに酔っ払った勢いで男性のシンボルに“入れ墨”を入れてしまった事などが、今だに尾を引いて、なかなか昇進できないでいる。

_3  最後のチャンスである艦長昇進会議にも名前は挙がるのだが一部の反対意見の為、スンナリとは承認されなかった……。ドッジの技量を確かめる為、超オンボロな旧式ディーゼル潜水艦USSスティングレイ(実際にサンフランシスコの海洋博物館で保存されている潜水艦USSパンパニートを使用)を指揮させ、“チャールストンとノーフォークの大西洋岸二大軍港を、模擬戦によって奇襲攻撃せよ”との命令が下される。実はこれ、ロシアの中古ディーゼル潜水艦が第三国に売却された事によって、これら旧式潜水艦によるテロ奇襲攻撃が予想され、それ対する米海軍の防御計画の効果確認の名目を持っていた……。米海軍の新鋭原潜からの追跡を交わしてチャールストン港に入港し、さらにノーフォークに“侵攻"して港に停泊する2隻の囮軍艦を撃沈させることだった。この作戦に見事パスすれば、最新鋭原子力潜水艦の艦長も夢ではない……。

Photo_6  乗組員は、教科書通りにしか行動しない副艦のマーティ(ロブ・シュナイダー)、長身の元バスケットボール選手で博打好きなジャクソン(デュアン・マーティン)、命令系統完全無視、上官侮辱罪の常習者(実は艦隊司令官の息子)ステパナック(ブラッドフォード・テイタム)、異常なまでの聴覚の持ち主で感電する事に快感を覚えるソナー員、大飯食らいの超肥満体な炊事班(ケン・ハドソン・キャンベル)など、曲者ばかり。しかも、米海軍潜水艦史上初の女性乗組員エミリー・レイク大尉(ローレン・ホリー)まで着任した。彼女は訓練の成績は優秀だが、所詮は机上の成績。実際の乗艦経験は全くなく、さらにグラマーで美人な彼女は、落こぼれ乗組員たちの格好の的。制服を隠されて、サイズの小さいピチピチの制服しかなく、腕も足も曲がらない状態で整列するシーンは大爆笑。

Photo_3  そんな乗組員たちの指導には、最古参でディーゼル潜水艦の事なら生き字引と言われるハワード機関兵曹長(ハリー・ディーン・スタントン)が当たる。オーバーホールを完了したスティングレイ号は出港する。迎え撃つ最新鋭攻撃型原子力潜水艦オーランド号の艦長は、ドッジに強力なライバル意識を持つノックス大佐(ウィリアム・H・メイシー)。また、ドッジが自分の妻と不倫していると疑うグラハム提督(ブルース・ダーン)たちは、この作戦を機に彼に復讐しようとしていた。スティングレイ号は、折からの嵐に紛れて漁船を装い、入港に成功。だが、岩に激突し、船体に亀裂が生じて水漏れが起こるが、乗組員の必死の努力で何とか切り抜けた。

LaurenhollyPhoto_7  グラハム提督はドッジに停船命令を発し、スティングレイ号は駆逐艦に包囲されるが、感電趣味のソナー員がクジラの鳴き声を真似た作戦で危機を脱した。副艦長パスカルは、ドッジが命令を無視したことを“反逆罪だ”として、自ら指揮を取ろうとするが、乗組員たちの反感を買って海に放り出された。反逆者の“処刑"の祝賀会と、敵を混乱させる目的で、海辺のレストランでパーティを開いたドッジは、エミリーに愛を告白する。再び潜水したスティングレイ号は、危険を承知で大型タンカーの2基あるスクリューの下に潜り込み、そのスクリューの推進音に紛れてノーフォークに近づくという大博打に出る。途中、タンカーが方向転換したため隠れ蓑を失ったスティングレイ号は全速力で危機を突破、囮の軍艦2隻の撃沈に見事成功。ドッジ以下、乗り組員全員は意気揚々と表彰式に向かうのだった!。

Village_people  主題歌は、当時大流行だったグループ「ビレッジ・ピープル」が歌い、映画のタイトルにも使われている“イン・ザ・ネイビー”。思わず口ずさんでしまいます。

 ラストのエンド・クレジットでは、ビレッジ・ピープルも顔を見せています。

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「ブルワース / BULWORTH」

1998new 1998年(アメリカ/FOX)・コメディ・106分

お薦め度: ★★★★★ happy01

監督: ウォーレン・ビーティ

出演: ウォーレン・ビーティ(ジェイ・ビリントン・ブルワース) ハル・ベリー(ニーナ) ドン・チードル(LD) オリヴァー・プラット(デニス・マーフィ) ジャック・ウォーデン(エディ・ダイヴァース) ポール・ソルヴィノ(グラハム・クロケット) イザイア・ワシントン(ダーネル) ショーン・アスティン(ゲーリー) クリスティン・バランスキー(コンスタンス(ブルワース夫人)) ジョシュア・マリーナ(ビル・フェルドマン) リチャード・サラフィアン(ヴィーニー) ジャッキー・ゲイル(マカヴォイ) エイミリ・バラカ(ラスタマン) ローリー・メカルフ(ミミー) ウェンデル・ピアース(フレッド) ミシェル・モーガン(シェリル) アライアン・ジョンソン(ターニャ) ウィリアム・ボールドウィン(ブルワース夫人の愛人) ラリー・キング ジョージ・ハミルトン

Pdvd_012Pdvd_013  選挙活動のノイローゼから自分自身の暗殺を依頼した上院議員が、それをきっかけに過激に本音をブチ撒き始めて大騒動を巻き起こす様を描いた諷刺コメディ。監督・主演は「レッズ」「ディック・トレイシー」「めぐり逢い」のウォーレン・ビーティ(シャーリー・マクレーンの実弟)で、彼の監督第4作。脚本はビーティの原案を元に、彼と「レッズ」のジェレミー・ピクサーが共同で担当。製作はビーティと「ヒート」のピーター・ヤン・ブルッグ。製作総指揮はローレン・シュラー・ドナー。撮影はビーティとは「レッズ」以来コンビを組む名手ヴィットリオ・ストラーロ(「タンゴ」)。音楽はスコアを巨匠エンニオ・モリコーネ(「めぐり逢い」「Uターン」)、サウンドトラック製作総指揮を「グレイス・オブ・マイ・ハート」のカリン・ラクトマンがそれぞれ担当。美術は「ゴッドファーザー」(シリーズ3作)「ライジング・サン」のディーン・タヴーラリス。編集は「めぐり逢い」のロバート・C・ジョーンズと「イレイザー」のビリー・ウェバー。衣裳は「ディック・トレイシー」のミレナ・キャノネロほか。共演は「エグゼクティブ・デシジョン」のハル・ベリー、「アウト・オブ・サイト」のドン・チードル、「ドクター・ドリトル」のオリヴァー・プラット、「ノックオフ」のポール・ソルヴィーノ、「誘惑のアフロディーテ」のジャック・ウォーデン、「ゲット・オン・ザ・バス」のイザイア・ワシントン、「バニシング・ポイント」(監督)「バウンド」のリチャード・サラフィアン、さらに有名司会者のラリー・キング、ジョージ・ハミルトンらが本人としてノー・クレジットで顔を見せ、ウィリアム・ボールドウィン(アレックス・ボールドウィンの実弟)が上院議員夫人と不倫関係の愛人役として登場している。

Pdvd_019Pdvd_030 上院議員の再選挙を間近に控えたブルワース(ウォーレン・ビーティ)。腐り切った政治の世界にどっぷり漬かった人生に嫌気が差していた彼は、自分自身の暗殺をヒットマンに依頼後、怖いもの知らずで勝手放題な演説を開始するが、途中で気が変わった彼は暗殺中止命令を出すのだが、仲介者が心臓発作で入院してしまい、リセット出来なくなってしまった……。

Pdvd_017Pdvd_014  急に金持ちや政治の世界の批判をブチ上げ、生活貧困者やスラムの黒人養護を口にし、ラップに乗せて過激に言い放つブルワース上院議員の支持率は皮肉にも急上昇し、大統領候補にまでなってしまった。更に、セクシーな黒人美女・ニーナ(ハル・ベリー)とのロマンスまで芽生え始める。ヒップホップに身を委ねたW・ビーティの奮闘ぶりが楽しいブラック・コメディ。

Pdvd_018Pdvd_020  1996年3月。カリフォルニア州予備選挙のまっ只中。現職のクリントン大統領の対立候補として出馬した民主党上院議員ブルワースは、マスコミや選挙民からも無視され続け、3日間まったく食欲が無く、一睡もできないノイローゼ状態に陥っていた。絶望の末、彼は17歳の娘を受取人に、自らに1000万ドルの生命保険をかけて、選挙運動最後の週末に自分を暗殺させることを決意。顧問ダイヴァース(ジャック・ウォーデン)の知り合いというギャングの大物ヴィニー(リチャード・サラフィアン)を密かに呼び、週明けの月曜日までに実行するよう依頼する。取引を結んだブルワース、死ぬとわかれば怖いものはないとばかりに、これまで言えなかった本音を遊説する先々でブチ撒き始めたからさあ大変。

Pdvd_016Pdvd_026  ただでさえ難題続きで頭が痛い選挙参謀のマーフィ(オリヴァー・プラット)がパニック状態になるのを尻目に、サウス・セントラル地区の黒人教会で見初めた美女ニーナ(ハル・ベリー)と、ボランティアをかって出たその友人シェリルとターニャに連れていかれた先のクラブでは黒人に囲まれてノリノリでヒップ・ホップに興じる。翌朝、演説会場のホテルで後援者のお歴々やメディアを相手に、演説原稿を無視してラップ調でいきなり放送禁止用語満載の辛辣な本音で、議会や社会批判を大展開……。ブルワースヘの多額な献金と、破格な超大口の生命保険の見返りに保険業界に不利な法案の廃案を約束させていた悪徳保険業者のクロケット(ポール・ソルヴィーノ)は怒りを隠せない。

Pdvd_031Pdvd_029   突如、豹変したブルワースにマスコミが殺到するが、人混みの中に妖しげなサングラスの男を見つけた彼はその姿からしきりに逃げようとする。そばにいてくれるのはニーナだけだったが、実はそれもそのはず、彼女は兄ダーネル(イザイア・ワシントン)の借金返済のためにヴィニーからブルワースの暗殺の協力を命じられていた暗殺者たったのだ。ヴィニーが心臓発作で倒れてしまい、暗殺依頼の中止が事実上困難になった状況のなか、ニーナはサウス・ブロンクスの自分の家にブルワースを連れてきた。汚れたスーツを脱いでサングラスに短パンとトレーナーという超ラフな黒人ファッションに着替えたブルワースは夜になると通りに出て、ストリート・ギャングのリーダー、LD(ドン・チードル)と彼の手下になっている子供たちから、街の現実を教えられる。

Pdvd_024Pdvd_025  彼はそのままの格好でクリントンやドールなど他の候補と議論を交わすテレビ討論会の特番に出演、そこでも強烈なメッセージをラップに乗せて吐き散らした。ニーナの元に帰ってきたブルワースを自宅に案内してから、ニーナは芽生え始めた彼への愛のため真相を告白した。口づけを交わす二人だが、ブルワースは何日もの不眠の後、ようやく心の平安を得たのか、そのまま眠ってしまった。ブルワースが眠り続ける間に、なんと彼への支持が71パーセントにまで高まり、ついに上院への指名を受けると同時に、大統領候補の可能性まで出てきた……。

Pdvd_032Pdvd_033  マスコミの注視のなか、ニーナの家で目を覚ましたブルワースは、再びスーツを着込み見違えたようなさっぱりした姿で登場するが、選挙参謀は、ラフな服装に着替え、リムジンは使わずにタクシーを呼ぶ作戦をアドバイスする。マスコミのマイクの放列を縫って、彼はニーナの姿を探して愛を告白。だが、ニーナに続いてタクシーに乗り込もうとした彼は、ブルワースに煮え湯を飲まされた悪徳保険業者クロケットが物陰から放った凶弾に倒れてしまった……。

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「アンドロメダ」

1971new 1971年・アメリカ(SF・サスペンス)・128分

お薦め度: ★★★★★ coldsweats02

監督: ロバート・ワイズ  原作: マイケル・クライトン

出演: アーサー・ヒル (ジェレミー・ストーン博士)  デヴィッド・ウェイン (チャールズ・ダットン博士)  ジェームズ・オルソン (マーク・ホール博士)  ケイト・リード (ルース・レービット博士)  ポーラ・ケリー (カレン・アンソン(看護婦)) ジョージ・ミッチェル (ジャクソン老人) ラモン・ビエリ  リチャード・オブライエン  エリック・クリスマス  ピーター・ホッブス  ケン・スウォフォード  フランシス・リード  リチャード・ブル

 この作品は、2008年に公開された「アンドロメダ・ストレイン」のオリジナル版です。1971年当時、こんな素晴らしいSF映画があったんですね! 現在見てもかなりリアルで楽しめる作品です。2008年版は3時間超の長編となっています。

 マイケル・クライトンの『アンドロメダ病原体』を原作に、周到なディティールと徹頭徹尾なドキュメンタリー・タッチで迫るリアルなSF映画。主要登場人物は全て科学者で舞台も地下研究室だけ、地味と言えばこれ以上地味な物はありませんが、徐々に細菌の正体が判明して行く過程とクライマックスのサスペンス的要素は映画の面白さに満ち溢れています。

 現実に起こりうるという点で、恐怖を感じさせるサイエンス・フィクション。製作・監督は「ウエスト・サイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」のロバート・ワイズ。マイケル・クライトンの原作をネルソン・ギディングが脚色、撮影はリチャード・クライン、音楽はジル・メレがそれぞれ担当。

 赤ん坊とアル中の老人の二人を除いて全滅した中西部の田舎町。墜落した人工衛星に付着した未知の細菌が原因である事を突き止めた科学者達は事態の対策を図るが……。

_027_023  ニュー・メキシコの小さな町に落下した衛星を回収にいった陸軍の兵士2人は、町に入って一瞬息を呑んだ。あたり一面に住民の死体が転がっているのだ。一方、軍本部では、町の異常を伝える兵士の声が突然悲鳴に変わり無線が切れてしまったため、急遽、非常体制をとり、待機していた4人の科学者を動員して“ワールドファイア計画”を発 動させた。4人はストーン博士(アーサー・ヒル)、ダットン博士(デイヴィッド・ウェイン)、ホール博士(ジェームズ・オルソン)の3人に、女性科学者ルース・レービット博士(ケイト・レイド)を加えたアメリカの最高権威者たちであった。現地に向かったストーンとホール博士は、住民たちの急死は、衛星の中の微生物が住民たちを襲ったためと断定したが、死者の血液を粉末状にするほど凝固させてしまう生物の正体は、見当もつかなかった。さらに不可解なのは、住民たちの中の2人だけが生存していたことであ_028_2_030 る。 酒浸りの老人ジャクソンと、赤ん坊だった。荒野の中に建つ“農務省研究センター”の中は、超近代的な研究所で、回収した衛星と2人の生存者を研究資料に、博士たちの必死の研究が始まった。科学者はその微生物を“アンドロメダ・ストレイン"と名づけ、コンピューターを主にした各種装置を駆使して、アンドロメダの分析研究は着々と進められたが、依然、撲滅のための手掛かりは何もつかめなかった。

 4人の科学者達は、軍の責任者に連絡し「すぐに汚染された町を核爆発で焼き払い、汚染の拡散を防ぐ」という大統領命令を発動するように進言するのだったが、大統領は24乃至48時間の猶予を示唆した。

_025_2_024_2  ホール博士が医学研究員のカレン看護士(ポーラ・ケリー)と赤ん坊の反応検査をしていたとき、突然ランプが点灯し、けたたましい“汚染"のアナウンスが所内を流れた。汚染したのはダットン博士の研究室で、ダットンはガラス越しにストーン博士らに励まされながら、真青な顔をしてい佇んでいた。ホール博士は、今までの研究結果から、地酒を浴びるほど飲んでいた老人の血液が酸性であったのと、1日中泣き通しの赤ん坊の血液がアルカリ性という相反する2つの血液が、彼らをアンドロメダの病原体から救ったと直感する。彼はダットン博士の研究室の酸素供給を止め、ダットンに激しく呼吸させるようにしたのは、一時的に血液をアルカリ性にするためであった。ホール博士の予感は成功し、ダットン博士は一命をとりとめる。

_031 アンドロメダ病原体は、地球の生命体とはまったく異なる様相を呈し、真空状態でも死滅せず、増殖を繰り返し凄まじい繁殖を見せるのだった。ここで、はじめて科学者達は今までの見解がいかに愚かだったかに気づき、大統領に懇願していた「核爆発で汚染された町を焼き払う」という命令を撤回するのだった。が、直後に研究所内の汚染を関知する装置が作動し、研究所の自爆装置が作動し始めてしまった。汚染が規定以上に達すると、自動スイッチがはいり、5分後には研究所が核爆発で吹っ飛ぶように設計されているのだ。このまま爆発してしまえば、汚染の拡散に_032_2よる_033 被害は計り知れなく、壊滅的打撃を受けるのだ。地下3階にある自爆装置を解除するため、ホールはキーを持って向かった。しかし作動と同時に各階のドアが自動的に閉まり、ホールは管制室にいるストーン博士の指示に従いながら、中央室空洞(コア)を登って任務を果たさねばならなかった。困難な作業であったが、ホールはレーザー光線に頬を焼かれながらも、やっとのことで辿りつき、間一髪で自爆装置を爆発8秒前に解除した……。

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「テレ朝・ドラマスペシャル -菊次郎とさき-」

_2new 菊次郎とさき・テレビ朝日(2001)・90分

お薦め度: ★★★★★ happy01

原作: ビートたけし 脚本: 松原敏春  演出: 石橋冠

出演: 陣内孝則(北野菊次郎)  室井滋(北野さき) 岸本加世子(北野安子) 邑野未亜(少女時代・安子(長女)) 中村俊介(北野重一(長男))  寒河江幸弘(北野大(次男)) ダンカン(成長した北野武) 松川尚瑠輝(少年時代・たけし(三男))  樹木希林(北野うし(菊次郎の叔母でさきの養母)) 原田龍二(藤崎先生(たけしの担任)) 岩崎ひろみ(北野久美子(重一の妻)) 梨本謙次郎(谷川小五郎) 宮地雅子(谷川かつゑ)  天宮良(安子の夫) でんでん(信濃屋の親爺) 寺田農(天宮部長) 岡まゆみ(天宮邦子) 渡辺哲(若林勇) 沢田雅美(若林艶子) 原ひさ子(老婆) ヤマダプロダクション 劇団ひまわり 劇団東俳 セントラル子供タレントほか。

 2009年、明けましておめでとうございます。本年も相変わりませず、ご贔屓、お引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。

 さて、正月気分もとっくの昔に醒めてしまいましたが、ビートたけし原作の自伝「たけしくん、ハイ!」シリーズをご紹介したついで、といっては差し障りがありますが、「菊次郎とさき」もご紹介する事にいたしましょう。

 腕の良いペンキ屋(塗装業)だが、飲んだくれの菊次郎(陣内孝則)と、教育熱心なさき(室井滋)の夫婦を中心に、少年時代の北野大(まさる)・ビートたけし兄弟の実家である北野家とその周囲の下町の人々をコミカルに描く。

 軽井沢で入院中のさき(室井滋)から、見舞いに来ないことを叱られたたけし(ダンカン)は、お目付役の姉・安子(岸本加世子)と共に、特急列車に乗って軽井沢へ向かう。ゴチャゴチャした町中を列車が進むうち、思い出すのは足立区梅島で育った子どもの頃のことだった……。

Kikujiro_and_sak3Kikujiro_and_sak4  時は、昭和30年代はじめ。場所は、東京都足立区梅島(現在の島根)。今日も今日とて、北野たけしくん(松川尚瑠輝)とその友人達はベースボールに興じております。が、たけしはグローブを持っておりませんので、当然ながら素手で捕球しておりました。たけしは、グローブが欲しくてたまりません……。そこへ母のさきがやって参ります。開口一番「たけし、お前塾はどうしたんだよ?」「えっ!今日は休みだよ。……火事で焼けちゃった。」「馬鹿、嘘つくんじゃないよっ!」……。さきに追われて逃げるたけしだったが、残った友達に「あんた達、ウチのたけしと居ると馬鹿が移るよ! さぁ、帰んな!帰んな!」といった塩梅です。

Kikujiro_and_sak5Kikujiro_and_sak6  菊次郎は元は漆職人でしたが、現在はペンキ屋をしております。なかなか腕は良いのですが、酒癖が悪く、浪費家で年中失敗を繰り返してしては、さきと夫婦げんかに明け暮れております。無学ではありますが人が良く、出来もしないことを安請け合いしたり、手間賃に見合わない仕事を請け負っては損ばかりしております。酔って乱暴もいたしますが子煩悩で、特にデキの悪い三男坊のたけしが可愛くて仕方ありません。シャイな菊次郎は、祖母のうし(樹木希林)が買ってやった、ということにして、自分が金を出してグローブを買い与えます。

Kikujiro_and_sak14Kikujiro_and_sak12 ある日、勿論女房のさきには内緒ですが、印鑑拵えで金の指輪を3000円も出して買って来てしまい、得意そうに見せびらかします。さぁ大変、さきをはじめ家族からは大顰蹙です。行きつけの飲み屋「信濃屋」では、勘定を払う段になると親爺に向かって「おぅ、勘定だ! 領収書、書け!」と。親爺は渋々領収書を書きますが、その領収書に菊次郎は指輪を抜き、判を押すのです。「冗談じゃないよまったく。領収書には店の判を押すもんなんだょ……」と親爺はむくれています。

Kikujiro_and_sak8Kikujiro_and_sak9 祖母のうしが昼間から寝ています……。彼女曰く「この歳になって、戦争中でもあるまいに、まさか栄養失調でくたばるとは思わなかったよ。」と菊次郎に言っております。いつもの調子で「うるせぇ、ババア!」と悪態をつく菊次郎。狭い庭には長女の安子が縁日で買って、ヒヨコから可愛がって育てたニワトリの「ピーちゃん」がいる。学校から帰って来た安子は、庭先のニワトリ小屋の異変に気づき、「ねぇ、ピーちゃんは? お母さん、ピーちゃんどうしたの?」と尋ねますが、さきもうしも答えられません。台所から鍋を持って出て来た菊次郞に、呆然とする安子。「ババアが栄養失調だ何だとゴタクを並べやがるからよぉ!」「これで栄養つけろよ。今日は鍋だぁ!」とご機嫌……。泣き通しの安子もさきになだめられ、一緒に鍋をつつくのでした。

Kikujiro_and_sak11Kikujiro_and_sak7  時は流れ、たけしはさきに黙って大学を中退し、喫茶店でバイトをしたりしながら芸人になる決意を固めていました。「一生懸命勉強しないと、父ちゃんみたいになっちまうよ!」と言うのが口癖のさきは、「大学辞めちまって、芸人になるとはどう言う事なんだよ!」と凄い剣幕です。ですが、どうにか芸人として売れてきて、テレビにもちょくちょく出演するようになりましたが、「いまは売れて有頂天だが、じきに落ち目になって食えなくなるんだ。」とさきは心配で仕方ありません。

Kikujiro_and_sak17Kikujiro_and_sak1  ことある毎に、さきはたけしに小遣いをねだります。嫌々ながら、たけしも母に小遣いを渡してやっています。軽井沢に見舞いに行った帰り、姉・安子の店に立ち寄りますが、姉の夫から「お母さんから、よく言われるんですよ。いまにたけしは落ち目になって食えなくなるだろうから、そうなったらたけしにご飯くらいは食べさせてやってね」と……。安子からは「母さんから預かったから、持って帰ってね」と小さな布袋を渡されます。帰りの列車のなかで、ふと気づき袋を開けてみるたけし。中から出てきた物は“菊次郎の金の指輪と貯金通帳”だった。さきは欲で小遣いをねだっていたのではなく、たけしが落ち目になっても困らないようにと、すべて貯金してくれていたのでした。たけしは目立たないように、そっとサングラスをかける。そのサングラスの奥から、涙が止めどなく流れて来た。今更ながら母の深い愛を改めて感じたたけしだった……。

 貧しいけれど、精一杯生きた北野菊次郎・さきの溢れるばかりの愛情を受けた北野武原作による自伝「菊次郎とさき」。機会がありましたら、是非ご覧になってください。

Web

Kikujiro_and_sak2Kikujiro_and_sak13Kikujiro_and_sak10Kikujiro_and_sak15Kikujiro_and_sak16 「ご機嫌斜めだぁ!」

「ありゃりゃ。こんなに飲んじまったよ!大将……」

「指輪に3000円だなんて!どうすんだよぉ!」

菊次郎と自転車   

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銀河テレビ小説「たけしくん、ハイ!」⑪~⑮

Photonew 銀河テレビ小説(全15回)・NHK(1985)・20分

お薦め度: ★★★★★ happy01

スタッフ: NHK チーフプロデューサー/岡本由紀子 演出/佐藤幹夫 吉村芳之 大森青児 原作/ビートたけし(『たけしくん、ハイ!』) 脚本/布施博一

出演: 小磯勝弥 木の実ナナ 林隆三 趙方豪 千石規子 松田洋治 石井めぐみ 今井和子 北見治一  田武謙三 戸川京子 奥村公延 中山智哉子 室山和廣 川上伸之 ブッチー武者 大島宇三郎 富士原恭平 住田朋子 榎木兵衛 伊藤公子 高野寛 圓山由美 伊藤環 浅野雅博 田村淳一郎 都屋やっちゃん 劇団いろは 劇団ひまわり 日本児童 東映児童 現代プロ 鳳プロその他。

_2_2_2  第十一話 (1985/07/29(月) 21:40~22:00) 憧れの模型機関車で遊ぶ正彦の様子を生垣の隙間からうかがっていたたけしは、運良く正彦の模型機関車に触らせてもらえることになった。はしゃぎ過ぎたたけしは貧血を起こすほどだった。そんな中、安請け合いで赤字ばかり出している竹次郎を見かねた真利子は仕事の見積りに着いて行き、何とか黒字交渉が成立。そんな帰り道、久々の二人っきりの外出だけに、自転車を漕ぐ竹次郎の背中に真利子はそっと頬を寄せる。「こら、止せ、みっともねえ! やめろったら、コノヤロー!」と必死の形相の竹次郎。自転車は蛇行しながら進んで行く……。 

sun年がら年中けんかに明け暮れている父と母。でも本当は頼りにしているんですね。真利子の笑顔を見てください。「至福の時」って大袈裟でしょうか? でも、真利子さん。本当に良い表情ですね。

Photo_7Photo_9lovely 私の子供時代には、垂涎の的であったHOゲージの鉄道模型やジオラマ、U・コンやラジ・コン飛行機などは非常に高価で、とてもとても一般家庭では手が出なかったものです。切手収集なども流行ってましたね。でも、未使用切手は高価でしたし、シートで集めるなどは“高嶺の花”。私は専ら“使用済み切手”を集めたものです。「月に雁」、「見返り美人」、「ビードロを吹く女」などが超人気未使用切手の代表格でした。

Photo_3  第十二話 (1985/07/30(火) 21:40~22:00) 区画整理の話で町がざわめく中、ボール紙で機関車を作ろうとしてうまく行かずに首をひねるたけしの前に米兵マイケルが現れ、マリコに会いたいという。たちまち真利子はオンリーさん(米兵相手の売春婦)だったのではないか、という噂が……。友人の米兵に頼まれて“マリコとタカシ”を探し当てた男は、現金とお土産のおもちゃの機関車を持って訪ねて来た。機関車を見て、飛び上がらんばかりに喜ぶたけしだったが、“マリコ”違い。結局、現金と機関車を返すのだが、あまりにしょげているたけしを見かねて男は機関車だけはたけしに与えて帰って行く。一騒動だったが、初めて外国人を見たたけしは興奮気味、寝言でインチキ英語を繰り返すのだった。

cloudオンリーさん」って言葉は“死語”ですし、若い人たちには理解出来ないことです。終戦直後、アメリカの兵隊が日本各地に駐留していましたが、これを“進駐軍”といい、主に旧日本軍の軍事基地跡や主要都市近郊などに点在していました。東京の外れ“福生(ふっさ)”は、アメリカ兵相手の“オンリーさん”(一戸建てやアパートで兵隊相手の売春)のメッカだったそうです。敗戦で日本人総てが貧しいさなか、勤める場所もなく、未婚女性や夫を戦争で亡くした女性達の一部は、“オンリーさん”として生きていくしか道がない人もいたのです。また、爆撃機による空襲で住む家をなくして放浪していた“浮浪者”“浮浪児”など、いつの時代でも戦争による被害は莫大なんです。

(写真左上)欲しくても買ってもらえない電気機関車をボール紙で作るたけし。(右上)行きつけの飲み屋「信濃屋」で棟梁を囲んで常連客たちが区画整理地域の地図を広げながら、“立ち退き料”の話題(取らぬ狸の皮算用ってね!)で盛り上がっています。

Photo_2Photo_5  第十三話 (1985/07/31(水) 21:40~22:00) 掃除当番を替わったり鉛筆を削ったりした甲斐があって、お金持ちの正彦くんから模型機関車を借りることに成功したたけし。竹次郎も電気屋から変圧器を調達し面目を施したので御満悦だ。しかし業務用変圧器だったため火を吹いてしまい散々な結果に……。そんな中、区画整理で引越しを余儀なくされる西野家だが、1800円という高額な家賃の移転先を竹次郎が勝手に話をまとめて来てしまい、ますます家は大騒ぎ。 

sun家賃1800円って、時代を反映してますね。現在とは物価がかなり違いますが、それでも当時1800円の家賃はそれほど高かったのでしょうね? 北野家は、貧乏でしたので特別“高価”だったのでしょう。この物語当時の職人の手間賃やサラリーマンの月給などが判れば、対比出来るのですけど。

(写真左上)最高電圧を入れてしまい、とうとう火を吹いてしまった借り物の電気機関車。(右上)「信濃屋」の親爺を相手に、家賃の1800円をどうやって捻り出すかを思い悩む竹次郎、「酒なんか飲んでる場合じゃねぇよなぁ……」と、すっかりしょげかえっています。

_2_3Photo_3  第十四話 (1985/08/01(木) 21:40~22:00) 沖縄空手まがいの啖呵売(たんかばい)に騙されて、密かに買った「インチキな軟膏」を塗り、石を割ろうとして右手をケガをしたたけしだったが、翌日学校に行ってみると遊び仲間たちも右手に包帯が……。

Photo_6100_2 算数のテストで百点を取ったたけしは、両親に誉めてもらおうと、遊びに誘う仲間を振り切り、勇んで家に帰って来たが、区画整理のことで大人たちはそれどころではない。がっかりしてい ると急転直下、今の借家を立ち退かずに済むと判り西野家はホッと一安心。しかし、ばぁちゃんが神棚に上げたはずの肝心の百点の答案がない。ひょっとして竹次郎が持ち 出したのでは?と、ばあちゃん……。信濃屋に急ぐたけしだったが、案の定、竹次郎が信濃屋の親爺・大山や常連客に答案を振りかざし自慢していた。改めて百点を誉められながら竹次郎の肩車で帰宅するたけしだった。

Photo_12_2_5 真利子が竹次郎の自転車を磨いているが、粗忽者の真利子さん、うっかり自転車を倒してしまいます。 後ろに積んだ道具箱から“かきかたちょう”を発見する。広げてみると汚い字でお手本を真似て書かれた文字を見て、思わず涙ぐんでしまいました。ばあちゃんやたけしにも見せ、帰宅した竹次郎を褒めますが、根がシャイな竹次郎は真利子に赤鉛筆で付けてもらった三十○の“かきかたちょう”を受け取り、やり場のない姿を見せています。

Photo_11 sun父親の菊次郞は、出来の悪い三男のたけしが算数で100点取った事が嬉しくてたまりません。行きつけの飲み屋“信濃屋”で得意になって答案用紙を見せびらかしている……。「たけちゃんも、末は東大かねぇ?」「……んな訳ねぇだろう」とまんざらではない様子。微笑ましいじゃありませんか。 私は教科に限らず、100点満点を頂戴した!という記憶は、数えるほどしかありません。まぁ私も“相当出来が悪かった”という事なのでしょうね(大爆笑)。

weep 女房の真利子には内緒で練習していた“かきかたちょう”。ご褒美の“三十○”を付け、誇らしげにしている真理子の姿に、少しだけ涙腺を刺激されてしまいました。

_5_2_4  第十五話 (1985/08/02(金) 21:40~22:00) 次男・秀二郎の高校合格発表の日。たけしも兄ちゃんを喜ばせようと昼休みに習字で垂れ幕を作る。夕方、家の屋根の上で準備万端。垂れ幕を下ろすべく待っていたたけしだが、真利子に叱られて果たせぬまま……。その夜、家族ぐるみの合格祝いの宴席で雨漏りがし出し、「お前が屋根に登ったりするから、雨漏りがしたんだ」と叱られ、増す増すシュンとするたけ しだったが、屋根にあった垂れ幕を秀二郎が見つけ、ことの次第が判った西野家はこれ以上ない幸せに包まれる……。 

Photo_4_4rain健気にも、たけしは大好きな兄ちゃんを喜ばそうと“垂れ幕”を作るが、ドジなたけしは屋根に登っているのを見咎められ、母に叱られてしまった。いつもの悪戯ではなかったたけしは、母に真意を汲んでもらえず悔しい思いをする。でもハッピーエンドで、まずは良かった良かった……。

sun(写真左上)昼休みに、たけしは兄ちゃんを喜ばせようとして「垂れ幕」を製作した。(右上)「屋根なんか登って、危ないだろ!早く降りといで。」と叱られるたけし。(左下)雨漏りを応急修理した後、秀二郎が見つけた垂れ幕を広げる。(右下)こうなる予定なのでした!

Pdvd_014 【あとがき】 NHK銀河テレビ小説「たけしくんハイ!」、「続 たけしくんハイ!」は、一貫して“北野”ではなく“西野”で通している。また登場人物名も、テレビ朝日で放映された「菊次郞とさき」(陣内孝則、室井滋、樹木希林ほか)では本名を使用しているが、こちらは似てはいるけれど殆ど創作である。陣内菊次郞は、印袢纏が小綺麗すぎましたね。ペンキ屋のユニフォームには見えなかったし……。また、続編では当時、国民的美少女といわれた後藤久美子が病弱な転校生役で登場いたします。

Photo_13Photo_14   私個人の意見を言わせて頂ければ、「たけしくん、ハイ!」が演出的には無理がなく、最後まで見られたのだが、「菊次郞とさき」は、俳優陣が良く言えば“個性的”で“独創的”。つまり、コメディに徹しているというか、ギャグに走りすぎる、というか滑稽さが空回り気味に感じられる箇所が見受けられた。陣内孝則は“やくざ者”の役柄が多かったためか、どうもそのイメージが強く、粗忽者のペンキ屋役という軽妙な役柄が多少のズレを感じさせるのかも知れないのが、残Photo_15 念だった。室井滋は“サザエさん”を彷彿させるが、「やっぱり猫が好き」での怪演振りがピッタリ、「可もなく不可もなし」といったところでしょうか。樹木希林については、TBSでの「ムー大陸」(郷ひろみ、伊東四朗、渡辺美佐子、由利徹ほか)、「寺内貫太郎一家」(小林亜星、西城秀樹、伴淳三郎、左とん平ほか)など、一貫したギャグで通している。

Photo_16  とは言え、林隆三分する竹次郎も怒鳴る場面では、“うーんっ”とオーバー気味な演技も目立った。欲を言えば切りがありませんが、及第点を差し上げましょう(偉そうに言うつもりは、更々ありませんが……)。  じゃ!

 以上、全15回をご紹介いたしました。

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銀河テレビ小説「たけしくん、ハイ!」⑥~⑩

Photonew テレビ銀河小説(全15回)・NHK(1985)・20分

お薦め度: ★★★★★ happy01

スタッフ: NHK チーフプロデューサー/岡本由紀子 演出/佐藤幹夫 吉村芳之 大森青児 原作/ビートたけし(『たけしくん、ハイ!』) 脚本/布施博一

放映期間  NHK総合  1985/07/15(月)から 21:40~22:00

出演: 小磯勝弥 木の実ナナ 林隆三 趙方豪 千石規子 松田洋治 石井めぐみ 今井和子 北見治一 大泉滉 田武謙三 戸川京子 奥村公延 中山智哉子 室山和廣 川上伸之 ブッチー武者 大島宇三郎 富士原恭平 住田朋子 榎木兵衛 伊藤公子 高野寛 圓山由美 伊藤環 浅野雅博 田村淳一郎 都屋やっちゃん 劇団いろは 劇団ひまわり 日本児童 東映児童 現代プロ 鳳プロほか。

Photo_14Pdvd_001  第六話 (1985/07/22(月) 21:40~22:00)  正月。お年玉をもらったたけしは速攻でおもちゃ屋へ。ショー・ケースのSLに見入るたけしだが、600円のお年玉では4800円の機関車セットなど買えるはずもない。そこへ、蝶ネクタイをしたお金持ちの息子・松本正彦(後根宣将)が現れ、こともなげに機関車セットを買って行く。店主(奥村公延)と共に店の奥に消える松本、そして空になったショ-・ケース。 sunおもちゃ屋のおじさん役の奥村公延さん、昔から脇役ばかりですが、人の良い男、強欲な男などちょっとセコい役が多いですけど、田武(たぶ)謙三さん、北見治一さん、趙方豪(ばんほう)さん、千石規子さんなどと、しっかり脇を固めています。

_3Pdvd_000  第七話 (1985/07/23(火) 21:40~22:00)  竹次郎の漆職人時代の仕事仲間・古田(織田俊樹)がシベリア抑留から戻り、西野宅を訪れる。“また漆職人に戻れる口がある”と口説く古田の話に竹次郎も真利子も大喜び、準備資金として古田が呈示した五千円を喜んで差し出す。そのために、もらったばかりのお年玉を取り上げられたたけしはブンむくれ。 sunいけませんねぇ、人の足下を見て!人の良Pdvd_002_2 Pdvd_003 い友達を騙して金品を巻き上げるなんて、人間のする事ではありません。本ブログをご覧の方は、けっしてマネをしないように……(笑)。でも、竹次郎たちも、5000円くらいで“美味い話”に乗ってはいけませんよね。そんなに世の中、美味い話が転がっている筈はないのですから……。また、当時は「押し売り」といって、家庭訪問販売なんですが“奥さん。洗濯夾み、ゴム紐、石鹸なんか買ってくださいよ。オレは刑務所から出たばかりなんだから……”などと、凄んで売りに来たものでした。余談ですが、私の子供時代(昭和30年頃)のお年玉といえば、家が貧しかったせいもありますが、弟と二人で確か母から500円づつを貰った記憶がありますねぇ……。

Pdvd_005_2Pdvd_012  第八話 (1985/07/24(水) 21:40~22:00)  家を出て下宿すると言い出した英一郎(趙方豪)のことや、漆職人復帰のための金策などで西野家は落ちつかない日々が続きます。そんな中たけしの小学校で父親授業参観日の当日になった。家を早く出過ぎたためについ一杯引っ掛けてしまい、すっかり出来上がって千鳥足で教室に現れた竹次郎に、たけしは大ショック。さすがに竹次郎も反省し、信濃屋のオヤジ・大山(北見治一)に「禁酒」と筆で書いてもらった半紙を大切に懐に抱え込む……。 sun私も、思い出がありますが、“自立したい!”という願望がありましたねぇ。自分では「親離れ」と簡単に割り切っていてのですが、親からしてみれば「子離れ」は難しいんでしょうね。だって心配ですもんね。私だって、人の親となって初めて判ったんですから……。 失敗続きの菊次郞。事もあろうに“父親授業参観日”に酒で大失態。いやはや、もの凄い父親ですねぇ。また、授業参観には私の父親は来た事はありませんでした。私も母親には随分と迷惑や心配をかけてしまいました。この場を借りて、深くお詫び申し上げます。(今更、手遅れですが……)

Pdvd_007Photo_17  第九話 (1985/07/25(木) 21:40~22:00) 憧れの圭子ちゃん(岡崎由喜枝)の誕生パーティーに呼ばれたたけしだが、お誕生プレゼントに不祝儀用の花を渡すわ、紅茶とケーキの載ったお盆を引っくり返すわで大顰蹙!。ムシャクシャしたたけしは悪ガキ連中と連れ立って、河原に住む貧乏な級友・山上大介(仙田信也)一家のほったて小屋の柱を揺する。すると柱が折れ、家はすっかりぺしゃんこになってしまった。あとで様子を見に行くと大介一家Pdvd_010 Pdvd_011 は懸命に家の経て直しをしている。たけしは思わずそれを手伝う。家の商売道具のペンキを持ち出して塗装までするたけしを大介の母松代(三浦真弓)はいたく絶賛するが、たけしの心は晴れるはずもなかった。sun誕生パーティーなんて習慣は、私の子供時代には殆ど聞いた事がありませんでしたが、たけしくんは有頂天!完全に舞い上がってしまいまい、仏壇にあげる献花じゃないんだら、葬式用の内職の造花を持って行っちゃぁダメ……。で、子供って残酷なんですよね。自分より弱い者を、ついいじめちゃうんです。とくに“寄ってたかって”というパターンだと、残虐性が増すようです。

Pdvd_013 Photo_18  第十話 (1985/07/26(金) 22:20~22:40) 漆職人に復帰できるという話が出鱈目なサギだったと知った竹次郎は禁酒の誓いを破って大トラと化し、家の者をすべて追い出してしまう。一家は棟梁の松原源治(金田龍之介)一家に逃げ込むが、たけしは父の様子を見に家に戻る。それに気づいた竹次郎はたけしを抱き上げ、膝の上に抱え込むとそのまま動かない。ほどなく様子を伺いに戻り、玄関からその光景をそっと見守る真利子Pdvd_009 の肩に小雪が降り積もる……。 snow禁酒」、「禁煙」って、難しいんでしょうね?私は頑なに「飲酒」、「喫煙」を守っていますが……(自慢にはなりませんけど)。 酒で失敗する事って多いんですけど、北野家ではそれほど深刻な問題には発展していません。この家族の大らかさに起因しているのでしょうけど……。「判っちゃいるけど、やめられねぇ!」的なお話ですが、たけしを静かに膝の上に抱きかかえる父親、その様子を黙って見守る母親……。人情咄しの一席で御座いますね。 お後が宜しいようで!<(_ _)>

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 趙方豪Photo_11Photo_13(北野家の長男役)、戸川京子(長男の彼女役)

お二人とも、お亡くなりになっています。趙方豪さんは、在日朝鮮人の俳優さんで、ひ弱な感じの役を得意としていました。また戸川京子さんは怪女優で歌手の戸川純さんの実妹でした。ご冥福をお祈りいたします。

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銀河テレビ小説「たけしくん、ハイ!」①~⑤

1985 new 銀河テレビ小説(全15回)・NHK(1985)・20分

お薦め度: ★★★★★ happy01

スタッフ: NHK チーフプロデューサー/岡本由紀子 演出/佐藤幹夫 吉村芳之 大森青児 原作/ビートたけし(『たけしくん、ハイ!』) 脚本/布施博一

放映期間:  NHK総合テレビ  1985/07/15(月)から 21:40~22:00

出演: 小磯勝弥 木の実ナナ 林隆三 趙方豪 千石規子 松田洋治 石井めぐみ 今井和子 北見治一 大泉滉 田武謙三 戸川京子 奥村公延 劇団いろは 劇団ひまわり 日本児童 東映児童 現代プロ 鳳プロほか。

Takeshi800Pdvd_000  第一話 (1985/07/15(月) 21:40~22:00)  野球のグローブが欲しいたけし(小磯勝弥)は、小遣い欲しさに父・竹次郎(林隆三)のペンキ屋の仕事を手伝うが、通りかかった野球仲間の子供たちにペンキまみれの姿をからかわれたたけしは、ペンキの入ったバケツを子供たちにぶちまけてしまう。

Pdvd_005Photo_4  第二話 (1985/07/16(火) 21:40~22:00)  ツンツルテンの洋服をからかわれた たけしは級友と習字の墨汁をかけ合いから大ゲンカ、山口先生(石井めぐみ)に廊下に立たされる。水道で顔を洗っていると、憧れのクラスメイト宮森圭子(岡崎由喜枝)がハンカチを差し出す。しかしたけしはドキマギした挙句、圭子をいじめ泣かせてしまい余計落ち込む。そんな中ペンキ屋の大切な商売道具である自転車が盗まれる事件が。 sun小学生の時、好きな女の子にはわざと冷たくしたり、からかったりしたものでした。淡い恋心、子供の頃って皆シャイ(うぶ)だったんですね!           

_2_3Photo_5  第三話 (1985/07/17(水) 21:40~22:00)  自転車が盗まれたこ とで西野家は大騒ぎ。たけしは学校をサボって自転 車泥棒を探しに歩き回る。学校からの電話でそれを知った真利子(木の実ナナ)は、行きつけの居酒屋「信濃屋」でヤケ酒を飲む竹次郎の元へたけしを連れて行き、事の次第をぶちまける。それを聞いた竹次郎はたけしの手を引いて自転車泥棒探しに向かい、見事犯人をつきとめるが、リュウマチの大泉洸と病弱の女房に六人の幼子を抱えた泥棒一家の身の上話を聞いた竹次郎は、自転車を取り返すことなく、「おめぇに、くれてやるよ!」と帰ってしまう。 sun貧乏自慢の北野家(テレビでは西野家)ですが、上には上があるもので、自転車泥棒の家はそれは貧しいもので、盗んだ自転車を3000円位で売り、生活の糧にするつもりだったのです。上下の押し入れを区切って子供六人が寝起きしている六畳一間の部屋で一家八人が生活していたのです。父親の菊次郞は、シャイな人ですので、「俺の方が、まだましな暮らしをしてらぁ!」とでも思ったのでしょう……。怒鳴りまくった挙げ句、ペンキ道具を運ぶ大事な自転車を、この家族にあげてしまうのでした。

Pdvd_004Pdvd_007  第四話 (1985/07/18(木) 21:40~22:00)  ジングルベルの曲が流れる師走の町。祖母・菊(千石規子)は義太夫の教授料(月謝)が入ったと、たけしにグローブ代の800円を手渡す(実際は、シャイな父親・菊次郞が金を出したのだが)。念願のグローブが手に入る! とたけしは喜び勇んで古道 具屋に向かうが、グローブは980円に値上げされていた。次男・秀二郎(松田洋治)ともに古道具屋のオヤジ(田武謙三)に食い下がるたけしだったが、結局グローブは買えずじまい。クリスマス・イヴの24日、長男・英一郎(趙方豪)の彼女・和子(戸川京子)がクリスマス・セットを持って家を訪れ、西野家はパーティー気分。そこへ竹次郎がいつになく早く帰宅。自分抜きで楽しそうに盛り上がる家族の様子に腹を立てた竹次郎はちゃぶ台をひっくり返し、ケーキを粉々にして家を飛び出すが、取り残された一家がふと気づくと玄関に紙袋が……。中身は竹次郎が買って来たクリスマス・セットだった。 sun古道具屋の親爺役、田武謙三さんは実に渋い役者さんですね。がめつい親爺役ながら、結局たけしの芝居に騙されて、元値の800円でグローブを売ってくれるのです。残った180円を手に、駄菓子屋へ直行するたけし。ちゃっかり者のたけしの一面を垣間見ました。

Photo_10Pdvd_010  第五話 (1985/07/19(金) 21:40~22:00)  追加のお小遣いをもらい、ついに念願のグローブを手に入れたたけしは上機嫌。しかし、仕事を終えた竹次郎は、野球をまるで知らないのにたけしとキャッチボールをするものだから近所の家のガラスを割ってしまう。ペコペコと頭を下げる竹次郎にたけしは不満タラタラ。夜になり、懐中電灯で参考書を照らす真利子に見守られながPhoto_6Pdvd_011 ら街灯の下でみかん箱で勉強を続ける秀二郎のマネをしてたけしはマンガを読む。最初は呆れて相手にしなかった真利子だったが、ふたりが帰った後もたけしは帰ろうとしない。泣きながらマンガの同じページを見つめ続けていると、ふとページが明るくなる。びっくりしてたけしが振り返ると、秀二郎にするのと同じように、懐中電灯でマンガのページを照らしている真利子がいた。 sun貧しいながらも、細やかな愛情をみせる北野一家。昔は娘浄瑠璃をしていた祖母ちゃん(北野うし)、無学で飲んだくれの父親(北野菊次郞)、女学校出で秀才の母親(北野さき)、東大学生の長男(北野重一(しげかず))、来年は高校受験の秀才でたけしの良き理解者の次男(北野大(まさる))。「♪~ 貧しいながらも楽しい我が家~」って感じですね。 この物語には、長女・安子が登場して来ませんねぇ?

 以上、一週間分をまとめてみました……。

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