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「テレ朝・ドラマスペシャル -菊次郎とさき-」

_2 菊次郎とさき・テレビ朝日(2001)・90分

お薦め度: ★★★★★ 

原作: ビートたけし 脚本: 松原敏春  演出: 石橋冠

出演: 陣内孝則(北野菊次郎)  室井滋(北野さき) 岸本加世子(北野安子) 邑野未亜(少女時代・安子(長女)) 中村俊介(北野重一(長男))  寒河江幸弘(北野大(次男)) ダンカン(成長した北野武) 松川尚瑠輝(少年時代・たけし(三男))  樹木希林(北野うし(菊次郎の叔母でさきの養母)) 原田龍二(藤崎先生(たけしの担任)) 岩崎ひろみ(北野久美子(重一の妻)) 梨本謙次郎(谷川小五郎) 宮地雅子(谷川かつゑ)  天宮良(安子の夫) でんでん(信濃屋の親爺) 寺田農(天宮部長) 岡まゆみ(天宮邦子) 渡辺哲(若林勇) 沢田雅美(若林艶子) 原ひさ子(老婆) ヤマダプロダクション 劇団ひまわり 劇団東俳 セントラル子供タレントほか。

 2009年、明けましておめでとうございます。本年も相変わりませず、ご贔屓、お引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。

 さて、正月気分もとっくの昔に醒めてしまいましたが、ビートたけし原作の自伝「たけしくん、ハイ!」シリーズをご紹介したついで、といっては差し障りがありますが、「菊次郎とさき」もご紹介する事にいたしましょう。

 腕の良いペンキ屋(塗装業)だが、飲んだくれの菊次郎(陣内孝則)と、教育熱心なさき(室井滋)の夫婦を中心に、少年時代の北野大(まさる)・ビートたけし兄弟の実家である北野家とその周囲の下町の人々をコミカルに描く。

 軽井沢で入院中のさき(室井滋)から、見舞いに来ないことを叱られたたけし(ダンカン)は、お目付役の姉・安子(岸本加世子)と共に、特急列車に乗って軽井沢へ向かう。ゴチャゴチャした町中を列車が進むうち、思い出すのは足立区梅島で育った子どもの頃のことだった……。

Kikujiro_and_sak3Kikujiro_and_sak4  時は、昭和30年代はじめ。場所は、東京都足立区梅島(現在の島根)。今日も今日とて、北野たけしくん(松川尚瑠輝)とその友人達はベースボールに興じております。が、たけしはグローブを持っておりませんので、当然ながら素手で捕球しておりました。たけしは、グローブが欲しくてたまりません……。そこへ母のさきがやって参ります。開口一番「たけし、お前塾はどうしたんだよ?」「えっ!今日は休みだよ。……火事で焼けちゃった。」「馬鹿、嘘つくんじゃないよっ!」……。さきに追われて逃げるたけしだったが、残った友達に「あんた達、ウチのたけしと居ると馬鹿が移るよ! さぁ、帰んな!帰んな!」といった塩梅です。

Kikujiro_and_sak5Kikujiro_and_sak6  菊次郎は元は漆職人でしたが、現在はペンキ屋をしております。なかなか腕は良いのですが、酒癖が悪く、浪費家で年中失敗を繰り返してしては、さきと夫婦げんかに明け暮れております。無学ではありますが人が良く、出来もしないことを安請け合いしたり、手間賃に見合わない仕事を請け負っては損ばかりしております。酔って乱暴もいたしますが子煩悩で、特にデキの悪い三男坊のたけしが可愛くて仕方ありません。シャイな菊次郎は、祖母のうし(樹木希林)が買ってやった、ということにして、自分が金を出してグローブを買い与えます。

Kikujiro_and_sak14Kikujiro_and_sak12 ある日、勿論女房のさきには内緒ですが、印鑑拵えで金の指輪を3000円も出して買って来てしまい、得意そうに見せびらかします。さぁ大変、さきをはじめ家族からは大顰蹙です。行きつけの飲み屋「信濃屋」では、勘定を払う段になると親爺に向かって「おぅ、勘定だ! 領収書、書け!」と。親爺は渋々領収書を書きますが、その領収書に菊次郎は指輪を抜き、判を押すのです。「冗談じゃないよまったく。領収書には店の判を押すもんなんだょ……」と親爺はむくれています。

Kikujiro_and_sak8Kikujiro_and_sak9 祖母のうしが昼間から寝ています……。彼女曰く「この歳になって、戦争中でもあるまいに、まさか栄養失調でくたばるとは思わなかったよ。」と菊次郎に言っております。いつもの調子で「うるせぇ、ババア!」と悪態をつく菊次郎。狭い庭には長女の安子が縁日で買って、ヒヨコから可愛がって育てたニワトリの「ピーちゃん」がいる。学校から帰って来た安子は、庭先のニワトリ小屋の異変に気づき、「ねぇ、ピーちゃんは? お母さん、ピーちゃんどうしたの?」と尋ねますが、さきもうしも答えられません。台所から鍋を持って出て来た菊次郞に、呆然とする安子。「ババアが栄養失調だ何だとゴタクを並べやがるからよぉ!」「これで栄養つけろよ。今日は鍋だぁ!」とご機嫌……。泣き通しの安子もさきになだめられ、一緒に鍋をつつくのでした。

Kikujiro_and_sak11Kikujiro_and_sak7  時は流れ、たけしはさきに黙って大学を中退し、喫茶店でバイトをしたりしながら芸人になる決意を固めていました。「一生懸命勉強しないと、父ちゃんみたいになっちまうよ!」と言うのが口癖のさきは、「大学辞めちまって、芸人になるとはどう言う事なんだよ!」と凄い剣幕です。ですが、どうにか芸人として売れてきて、テレビにもちょくちょく出演するようになりましたが、「いまは売れて有頂天だが、じきに落ち目になって食えなくなるんだ。」とさきは心配で仕方ありません。

Kikujiro_and_sak17Kikujiro_and_sak1  ことある毎に、さきはたけしに小遣いをねだります。嫌々ながら、たけしも母に小遣いを渡してやっています。軽井沢に見舞いに行った帰り、姉・安子の店に立ち寄りますが、姉の夫から「お母さんから、よく言われるんですよ。いまにたけしは落ち目になって食えなくなるだろうから、そうなったらたけしにご飯くらいは食べさせてやってね」と……。安子からは「母さんから預かったから、持って帰ってね」と小さな布袋を渡されます。帰りの列車のなかで、ふと気づき袋を開けてみるたけし。中から出てきた物は“菊次郎の金の指輪と貯金通帳”だった。さきは欲で小遣いをねだっていたのではなく、たけしが落ち目になっても困らないようにと、すべて貯金してくれていたのでした。たけしは目立たないように、そっとサングラスをかける。そのサングラスの奥から、涙が止めどなく流れて来た。今更ながら母の深い愛を改めて感じたたけしだった……。

 貧しいけれど、精一杯生きた北野菊次郎・さきの溢れるばかりの愛情を受けた北野武原作による自伝「菊次郎とさき」。機会がありましたら、是非ご覧になってください。

Web

Kikujiro_and_sak2Kikujiro_and_sak13Kikujiro_and_sak10Kikujiro_and_sak15Kikujiro_and_sak16 「ご機嫌斜めだぁ!」

「ありゃりゃ。こんなに飲んじまったよ!大将……」

「指輪に3000円だなんて!どうすんだよぉ!」

菊次郎と自転車   

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コメント

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投稿: FreidaEstes24 | 2012年2月 4日 (土) 10時02分

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